生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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治療2日目は抗がん剤の投与からスタート、それまでの常識を一気に覆された手法〜その2〜

UMSオンコロジークリニック(当時の名称はUASオンコロジーセンター)での治療を始めて2日目。

2008年6月4日の日記、後半です。

この日の前半部分は ↓ここからお読みください。

たった15分ほどで抗がん剤の点滴を終えて、放射線照射に移動します。

 

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 (※このブログでは、名称等を当時のまま表記しています)

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放射線の治療は昨日同様。

回転ずしになる。レーンは回らない。念のため。
赤いシャツを着ていったので、今日のネタは大トロかな。
当分、この流れでいくみたい。

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治療初日の日記にも書いていましたが、回転ずしがレーンに乗せられて流れていくようなイメージで、治療台がそのまま照射の機材の真下に移動するんですね。

 

期間中ずっと、私は回転ずしなんだ……と思ったりして、少しでもがん患者であることを忘れようとしていたのかなと、いま振り返ってみて思いました。

潜在的に、なるべく明るく過ごそうという意識が働いていたような。

 

さて、この日の朝一番でPET検査を受けていたので、その結果が出たようです。

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回転ずしから人間に変身して、PETの診断を聞きに診察室へ。

植松医師曰く、センター史上、1~2を争う病変の大きさらしい。

はふぅ。

6週間では終わらないそう。どないしよ。

ただ、遠隔転移は見られないので一安心だって。

 

しかし、それにしても、全然取り乱すことなく、


「楽しみを悉く奪われつつあるからなぁ…

先生、お酒もやめなきゃいけない?

せっかく鹿児島に来ているのに、焼酎を楽しめないなんて」

 

などとヘラヘラ訊いているがん患者。

 

数ヶ月前の弱ょゎした自分からは想像できないくらい、ソウル&マインドはガッチリしている。

きっと、植松医師の醸すやわらかい波動のおかげに他ならない。

 

「じゃあ、あなたの楽しみは温泉とお酒ということで」と植松医師。

「(入院先にバレないよう)うまくやるのよ、うまく!」と冗談を飛ばす看護師。

あぁ、愉快ユカイゆかい。

 

夕方には終了。

センターでのスケジュール、正味1時間弱。


まだ夕食には早いので、鹿児島一の繁華街・天文館をブラブラする。
持ってきたサンダルがダメになったので、新しく1足購入。

その後、パン屋さんに寄って、リーンなプチパンを3種類ほど買った。

襲ってくるかもしれない吐気に備えて、食べられるものの候補を増やしておかないと。

 

帰ったら食事が置いてあった。


…食えるのか?

 

いやはや、全然問題なし!


わたしは腹式呼吸なので、息を吸うときに、横隔膜のあたりが少し締め付けられる感じがあるくらい。


これなのかな? いわゆる副作用ってやつは。

だとしたら、まったく大丈夫。

この調子で続いていけますように。

 

また温泉銭湯に行って、サウナで毒素を抜いて、あ~さっぱり。

こっそり買ってきた芋焼酎でも呑むか。お湯もあるし。

今夜もよく眠れそうだぃ。

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先に言っておきますが、入院していたら、病室でお酒はダメですよ!!

私はこっそり持ち込んで、 隠れて飲んでいただけですからね!!

というか、基本的に外出はフリーで、門限までに戻ってくればいいことになっていました。

なので、夜は飲みにも行ったし、ずっと病室にいるということも、クリニックにずっといることも、ほとんどありませんでした。

 

この日は、午前中にPETを受けて、午後に抗がん剤の点滴、そして放射線照射。

たぶん、標準治療だとこれが丸一日かけても終わらないんじゃないかな。

 

実は、標準治療については、あまり詳しくは知りません。

どこかでも書いたか、これから出てくるのか、私はインプットしまくるタイプなので、頭でっかちになりがち。

なので、知りすぎると選べなくなる、迷ってしまうと思い、この治療を選択してからは、ほとんど情報を取りませんでした。

 

私はたまたま早く、この治療法に巡り会えましたが、納得のいくものを探し当てるまでは、情報収集は必要ですし、たぶん迷うことになるでしょう。

 

ホルモン治療とか、抗がん剤の名前など、ほとんど知らないので、乳がんそのもののことを知りたい人にとって私のこの日記は、実はあまり参考にはならないかもしれませんね……

 

勉強できる方ならば、できる限り知っておいたほうが、知らないよりは断然いいと思います。

 

そんなおバカちゃんな私ですが、以前にも別のがんを患って入院していたことがありました。

ですから、抗がん剤投与の数時間後に猛烈な吐き気で洗面所に駆け込む人を、何人も何人も見てきました。

 

そのイメージのまま、治療2日目、初めて抗がん剤を投与されましたが、まったくそんな状況は生じませんでした。

 

普通です。

フツー。

 

違うことといえば、いつもの東京のマンションではなく、鹿児島の病院にいるということくらい。

いまみたいに、リモートでできる仕事なんかが充実していれば、バイトなんかできたんだろうけど。

 

余力があれば、滞在中はヒマです。

空いた時間でちょこっと稼ぐこともできます。

いや、ちょこっとどころじゃないくらい、滞在中は時間に余裕があります。

クラウドでできる仕事なんかを仕込んで持っていくということも、もちろん可能です。

 

日常生活とほぼ変わらない暮らし。

ただ、そこに治療のスケジュールが加わるだけです。

こんなにお気楽ながん治療があったとは。

 

いまはがんにかかっていなくても、予備情報として押さえておかない手はありません。