生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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樹木希林さんと同じ治療を受けた私が「全身がん」に関する記事を読んで思うこと〜その2〜

前回の記録は、↓こちらから読めます。

 

(※2020年3月23日 加筆・修正しました)

 

映画『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した流れで、またこんな記事が出てきました。

2018年6月12日付、SmartFLASHに出た記事です。

smart-flash.jp

おまけ記事というか、関連記事というか、映画とは直接関係のない話題で引っ張ってくる手法ですね。

 

 

以前にも書いていますが、12年前に樹木希林さんと同じ時期に、UMSオンコロジークリニック(当時は UASオンコロジーセンター)で治療を受けていました。 

 

たしか、希林さんも最初に治療を開始したのが、同時期の2008年だったと記憶しています。

 

文中に出てくる『ガン医療関係者』って、どういう人なんでしょうね。

週刊誌などによく出てくる“関係者”という表現、いつも本当に謎ですけど。

 

その“関係者”が、こう語っています。

 「転移している場所が、放射線を当てにくい、または隣接臓器の関係で当ててはいけない場所であれば、治療できません。加えて治療ができても、全身のガンを殺してすぐに仕事復帰できる、というのはかなり珍しいケースです。業界では『奇跡』とされています」

 

「すぐに仕事復帰できるのは珍しいケース」と書かれていますが、私もすぐに復帰できましたよ。

元々の状態が衰弱しているのでなければ、治療期間中でも、普通に仕事にも行けます。

近隣から来ている人は、「お仕事を中抜けして照射しに来ている」と話していました。

身体への負担や、入院などの制約が少なく、がんの治療中とは思えない、高い自由度があります。

 

植松先生も著書のタイトルで、そのものズバリ言っています。 


明るいがん治療―切らずにピンポイント照射

そうです、明るいんです、この治療は。

切らないで乳がんが治療できるんです。

苦しい抗がん剤の副作用もほとんどないのです。

 

また、記事中には、こんなことも書いてありました。

「転移している場所が、放射線を当てにくい、または隣接臓器の関係で当ててはいけない場所であれば、治療できません」

というのはそのとおりで、私は乳がんの治療終了後に別のがんが再々発しましたが、そのときには、この治療法は選択しませんでした。

 

「切らない」という選択肢には、また別のリスクや適応外の事象も存在します。

その点においては、パーフェクトとは言えないでしょう。

このブログ記事を書いた当時は、この『万引き家族』のニュースがYahoo!ニュースに掲載されたため、いわゆる『ヤフコメ』が表示されてました。

しかし、知られていないことも多いためか、懐疑的・否定的な意見が大半で、誤解されているところもあるようでした。

 

まず、陽子線や重粒子線での治療とは違います。

12年前の治療していた当時は、まだ陽子線や重粒子線での治療自体もほとんど知られていなかったと記憶しています。

www.ums-oc.com

クリニックからも陽子線治療について発信されていますから、放射線との区別をつけておくべきでしょう。

 

 

また、「がんには悪性度の高い低い、放射線治療に適す適さないなどがあって、彼女の場合は悪性度の低いがんなのだろう」というコメントもありました。

 

そもそも『悪性度』という概念は何なのだ?と思い、検索してみました。

すると、「がん細胞の顔つき」と表現されているんですね。

がん細胞の悪性度(あくせいど)とは

がん細胞の悪性度とは,顕微鏡で見たがん細胞の形から判断するもので,わかりやすくいうとがん細胞の顔つきのことです。浸潤がんでは,がん細胞の悪性度が高いと転移・再発の危険性が高くなります。悪性度は,グレード1~3の3段階に分けられます。

出典:日本乳癌学会HP「患者さんのための乳癌治療ガイドライン」

 

顔つきというワード、病理医さんの経験と知識から出ることばなのでしょうね。

私は告知時で直径6cmになっていましたし、転移も3か所あり、「これだけ悪性度が高いと、完全全摘で再建はできない」と診断されたので、細胞の種類とかよりも、やはりその形状や大きさによる表現なんだなと感じます。

 

大きさや転移の度合いを「悪性度」というのなら、私はかなり高いほうだったようです。

実際、植松先生からも、「医師人生史上1〜2を争う悪性度の高さ」とお墨付きをいただいています。

そのときの話は、いずれ出てくるかな。

 

それから、お金の話も出てきますね。

高額の費用を払わなくても治る方もいるし何千万かけても亡くなる患者もいる。高いお金さえ払えば良くなると誤解をうむ報道はやめろ」

というコメントもありました。

この点に関しては、なんとも言いがたいです。

 

当時の私は30代半ばで、売れない役者修行をしながら、派遣でオフィスワークをしていましたから、決してお金持ちではありませんでした。

母子家庭で育ちましたので、そもそもの資産も乏しく、決して、というか絶対に裕福な環境ではありませんでした。

断言します。

 

周囲の治療仲間は、たしかにお金持ちの人もいました。

ご家族が会社経営者だとか、社長令嬢だとか、自分自身が起業家だとか。

 

そのうち、お金についても書いていこうと思っています。

なぜ、少ない資産でも、健康保険が適用されない高額治療を受けることができたのか。

 

怪しいことはしていません。

ちゃんと真っ当な手順を経て、ちゃんと全額お支払いして、ちゃんと治療を終えることができ、なおかつ、乳房温存、再発転移なしで10年経ちました。

 

まだまだ知られていないんですね、この四次元放射線ピンポイント照射の治療法。

 

もし万が一、自分や家族ががんになったら。

備えたくないけど、知識や情報をストックすることも大事な備え。

 

 

希林さんほどのインフルエンスでなくても、私も発信のお手伝いを続けていくつもりです。