9ヶ月の間にも,がんを取り巻く世の中の状況は変化していました
前回の記事はこちらから読めます↓
半年以上も更新していませんでした。
忙しいです,忙しい。
本当に忙しい。
通信制大学の学生であることは以前にも少し書いておきました。
前回の記事が6月で,その後には試験やスクーリングをこなさなければなりませんでした。
仕事もしながらの勉強は本当に大変で,こちらまで手を回すことができませんでした。
言い訳はさておき,こちらのブログを放置している間に,世の中でもいろいろな変化が起きていました。
樹木希林さんが亡くなりました。
同じ時期に鹿児島のUMSオンコロジークリニック(当時の名称はUASオンコロジーセンター)で治療していて,勝手に「同志」だと思っていました。
「あなたの隣に座ってたりもしたよ」と先生に言われても思い出せないほどでした。
まったく芸能人オーラ(のようなもの)を出さないという意味でしょうか。
私が治療していたのは2008年6月でしたから,その頃からすでに,彼女曰くの「全身がん」状態であったわけです。
11年もの間がんを抱えていて,それでも,たおやかに役者としての生業を営んでこられたのは,希林さんの精神力と,負担の少ない治療方針の賜物なのでしょう。
なんと表現したらいいのかわかりません。
「よくがんばってきましたね」という言い方も,それは上から目線であって,だけど,たぶんそんなに「がんばった感」はなかったのではないかなと思います。
お人柄は,テレビや映画での役柄やメディアでのインタビューくらいからしか読み取れないので,なんとも言いがたいのですが,悠然というか,飄々としたあのままのキャラクターだったようですので,たぶん,自身ががんであることを受け止め,受け入れ,そしてあの治療を選択し,地に足をつけて,生きてこられたのでしょう。
私も役者の端くれですから,憧れの役者さんでもありましたので,このコネ(笑)を使って,一度でもいいからお話ししてみたかったです。
それと,クリニックのホームページを見てみたら,あろうことか,過去の患者さんの体験記や治療成績を載せることができなくなったとか。
平成30年6月に医療法が改訂され医療機関のホームページに、その施設の治療成績や治療を受けた患者さんの体験談などを載せることができなくなりました。
そうですか,ならばこのブログも少し手直ししないとな〜と思いつつ,別のページを見ていて驚きました。
2018年4月の記事なので,私がブログを書き始めた時点では,すでに存在していたことになる記事なのですが,オンコロジークリニックに関してデタラメすぎる情報が氾濫していることを嘆いているコラムがありました。
これはちょっとひどい。
この文体から察するに,署名こそありませんが,「普段SNSに極力近づかないように生活している私でも、身の回りにこのようなことが起きている世の中です」と書かれていますから,おそらく,植松先生ご本人の文章でしょう。
ところが最近、オンコロジーでの治療の結果に大満足されて喜びいっぱいのブログを立ち上げた方に「すぐに削除しないと・・・」というメールが届いたそうなのです。
私にもありましたね,治療中に書いていたブログのコメント欄に「死 死 死 死」と何百個も書かれたり,「治るわけねーじゃねーか,死んじまえ」とか。
当時はまだまだネットの知識もなく,恐れおののいてブログの公開をやめました。
まあ,記事を別の場所に格納しておいたので,こうして日の目を見ることができていますけどね,はははははははははは!!
…いけない,私まで危ない人になるところでした。
うーん,こうした誹謗中傷いやがらせの類は,たぶん人間という生き物が存在する限り,ある一定数いることは免れないけれど,それに反応して泣いたり反撃したりするのもつらいというか,時間がもったいないというか。
手術も抗がん剤もなしで乳がんが治りました、とブログに書いたら、「早く再発・転移することを祈っています」というメールが来たという話も聞いたことがあります。
私もかつて,似たようなことを書かれていましたが,今年で12年めになります。
再発も転移もしておりませーん。
直径10cmありましたけど,転移もありましたけど,しっかり生きていますが。
どうですか,お祈りなんてそちらに跳ね返るだけですけど。
…と,煽っても仕方がないのですが,反応しないことが一番なんですよね。
ムカムカするし,カチンどころではないくらいに頭にきますが,同じ土俵に立つと,同じくらいの程度の低さになってしまうことに気づいて,受け流す努力をするしかないです。
そうしたことに振り回されることなく,真実を見極める目を養うために,勉強し直そうと決めて大学に進学しました。
その勉強がどう活かされるかはわかりません。
ですが,思考力が鍛えられて,このコラムにあるような嘘を見抜くことは容易になります。
私もこのブログでは乱暴な言葉づかいで書いたりしてしまうこともありますが,嘘は書きたくないし,このクリニックで受けた治療のおかげで生きているからこそ,大学へ行くこともできているし,結婚もしたし,また新しいことを始めようかと考えることもできています。
最近では,堀ちえみさんの舌がんや,misonoさんの夫のNosukeさんが精巣がんを治療している話題など,がんにまつわるニュースは跡を絶ちません。
いまのシステムと私が2008年に受けた治療を比較したら,ますます進歩していることでしょう。
ということは,12年前よりもより進化して,より負担が少なくなっている可能性もあるのです。
がんと診断されたら,いろいろな情報を集めてください。
そして,それが本当なのかどうか,自分の選択肢に加えていいのかどうか,しっかり吟味してください。
私は嘘偽りなく,このブログで当時のことを書きますので,参照してください。
直接のご相談はお受けできませんが,クリニックに尋ねてください。
あのクリニックは,「これをやらないと死ぬんだよ」とか脅すようなことはしません。
疑問に思うことは何でも質問したほうがいいです,だって自分の命ですもの。
そして,負けないでください。
できる限り,私もこのブログを更新してお役に立てるように努めますから,負けないでください。
どうか,どうか。