生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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コロナと放射線治療と免疫と

前回の記事はこちらから読めます↓

blueguitar.hatenablog.com--------

2020年4月23日,俳優の岡江久美子さんが,新型コロナウイルス感染症による肺炎で亡くなりました。

美人で健康的,さっぱりしていて元気なイメージでしたから,亡くなったというニュースは相当な衝撃でした。

私も役者の端くれとして,理想であり,目標となる女優さんでした。

 

さて,亡くなられた際の所属事務所からのプレスリリースが話題になりました。

www.yomiuri.co.jp

 岡江さんは昨年末、初期の乳がんで手術し、今年1月末から2月半ばまで放射線治療を行った。所属事務所では、「免疫力が低下していた」としている。

 

初期の乳がんで手術と放射線治療を受けていたとのことでした。

標準治療の,本当に文字どおり標準的な流れだったのでしょう。

 

この報道によって,現在がんの治療を受けている方々が不安になったという記事をどこかで見ました。

今回は,乳がん放射線治療を受けた経験から,そのときに言われたことなどを思い出しながら,患者としての立場で書いてみます。 

2008年,子宮頸がんの再発と同時に乳がんを発症,その3か月後に子宮頸がんの再々発で丸1年を治療に費やしました。

その間に,免疫うんぬんという話が出てきた記憶がいくつかあります。

がんと免疫力の関係

このブログではUMSオンコロジークリニックで治療を受けたときの話を多めに書いていますが,そもそもの始まりは,2004年に子宮頸がんの円錐切除とレーザー照射を受けたことでした。

そのときは,クリニックのことなどまったく知る由もなく,最初にがん検診を受けた病院が紹介状を書いてくれ,それを携えて,がん専門の大病院で手術を受けました。

以降,3か月ごとに検診を受け,経過観察していました。

 

ところで,私は医師ではないし,専門家でもなく,自分がかかったからと言って,がんについて勉強するような努力はほとんどしていません。

ですので,詳しく書かれている記事を参照しながら進めます。

 

がんが発症した要因

がん細胞ができる要因の一つに,生活習慣やストレスなどが挙げられています。

子宮頸がんについては,HPVというウイルスの仕業であることが知られるようになりました。

しかし,それらの要因があっても,カラダに備わっている免疫力が高ければ,そうした要因を撃退することができるといいます。

こちらのサイトで詳しく書かれています。

gan-senshiniryo.jp

何が原因で体の細胞に異常が起こるのでしょうか。よく指摘されるのは、生活習慣です。 食生活の欧米化(高カロリー・高脂肪食)や運動不足、肥満、睡眠不足、精神的なストレスなどがあります。

もうひとつは、直接、細胞の遺伝子を傷つける“発がん性物質”があります。
タバコや農薬などの有害化学物質、自然界の放射線や紫外線、ウイルスや細菌などが挙げられます。

 

私が最初に子宮頸がんを発症したときは,当時お付き合いしていた人からのモラハラが原因だったと考えています。

私自身,とても意思が弱く,自分に自信のない人間だったことは自覚しており,理不尽なことをされても対応できずに泣いてばかりでした。

溜め込むだけ溜め込み,身勝手な振る舞いをされる日々を積み重ねた結果が,がんにつながったと思っています。

 

お酒はほどほどに飲むとしても,タバコはまったく吸いません。

運動はあまり得意ではありませんが,ずっと動かないというわけではなかったし,体型も標準的です。

よく寝ないとつらいので,毎日7〜8時間は睡眠をとっていましたし,現在もそうです。

加えて,血縁にがんにかかった人は1人もいません。

 

因果関係はもはやわかりません。

ですが,いろいろと原因を考えてみても,強いストレスを受けたこと以外思いつかないのです。

今は,そんなモラハラとは縁遠いやさしい人と結婚できています。

 

ですので,あのときはきっと,HPVも撃退できない,乳がんの細胞を叩き壊すこともできないくらいのストレスを受けたことで免疫力が下がって発症したんだろう,と素人なりに割り切ることにしています。

 

乳がん放射線で治療した後の 子宮頸がん再々発

鹿児島で,楽しいこと以外思い出せないくらいの2か月を過ごし,そのまま実家のある地方へ移動して,2週間ほど静養しました。

ちょうど北京オリンピックの頃で,北島康介さんが「何も言えねえ」と涙ながらにコメントした試合をテレビで観戦していました。

 

その後,帰京して一番最初に行ったのは,子宮頸がんで入院・手術した病院でした。

術後の検査が予約してあったからです。

4月に手術をし,6月から7月いっぱいかけて鹿児島で治療し,8月の検査でしたから,術後4か月が経過していました。

そこで告げられたのが,子宮頸がんの再々発です。

主治医の先生からそのときに言われたのが,まさしく『免疫』の話でした。

 

放射線抗がん剤の治療によって,免疫力が下がったことによる再発と考えられます」

免疫が下がって,まだ残っていた子宮頸がんの細胞が活発になったのではないか,という見立てだったようです。

ですから,岡江さんのニュースを見たとき,最初に思い出したのが,このことでした。

何の疑問もなく,「そうだろうな」と思ったのです。

 

放射線治療で免疫力が下がる?

専門家の見解 〜ネット上の記事から〜

ですが,岡江さんの主治医が異論を唱えています。

www.nikkan-gendai.com

正しい情報が伝わらないと、ガンの治療をしている人がすべからく不安のどん底に突き落とされてしまいます。それは誤解です。がん治療と言ったって程度がありますし、また治療が終わった病気は持病とは言えないと思います。国立がんセンター乳がんの専門医も、一般論として岡江さん程度の放射線治療で免疫力低下は見られないとの見方していました。白血病で体全体に行う放射線治療と、乳がんの初期で術後に念のために行う放射線治療は全然違うと思います。

白血病で体全体に行う放射線治療と,乳がんの初期で術後に念のために行う放射線治療は全然違うと思います。

正しい情報が伝わらないと、ガンの治療をしている人がすべからく不安のどん底に突き落とされてしまいます。それは誤解です。がん治療と言ったって程度がありますし、また治療が終わった病気は持病とは言えないと思います。国立がんセンター乳がんの専門医も、一般論として岡江さん程度の放射線治療で免疫力低下は見られないとの見方していました。白血病で体全体に行う放射線治療と、乳がんの初期で術後に念のために行う放射線治療は全然違うと思います。
正しい情報が伝わらないと、ガンの治療をしている人がすべからく不安のどん底に突き落とされてしまいます。それは誤解です。がん治療と言ったって程度がありますし、また治療が終わった病気は持病とは言えないと思います。国立がんセンター乳がんの専門医も、一般論として岡江さん程度の放射線治療で免疫力低下は見られないとの見方していました。白血病で体全体に行う放射線治療と、乳がんの初期で術後に念のために行う放射線治療は全然違うと思います。
正しい情報が伝わらないと、ガンの治療をしている人がすべからく不安のどん底に突き落とされてしまいます。それは誤解です。がん治療と言ったって程度がありますし、また治療が終わった病気は持病とは言えないと思います。国立がんセンター乳がんの専門医も、一般論として岡江さん程度の放射線治療で免疫力低下は見られないとの見方していました。白血病で体全体に行う放射線治療と、乳がんの初期で術後に念のために行う放射線治療は全然違うと思います。

 

そして,日本放射線腫瘍学会が,岡江さん逝去の報道に対し,声明 (PDF)を出しています。

早期乳がん手術後に行われる放射線治療は,体への侵襲が少なく,免疫機能の低下はほとんどありません。

一般的な放射線治療では,からだの免疫力が大きく低下するようなことはほとんどありません。

 

いずれも,岡江さんが受けたのは,初期の乳がんで標準的に行われる放射線治療であったので,免疫力の低下はないという発言です。

 

私のケースとの相違点

だとすると,私が主治医から言われた「免疫力が下がって再発した」という話は,また違ったものになります。

素人なので勝手な判断はできませんが,

・早期とも初期ともいえない大きさ

・ゆえに放射線の照射量が多かった

・加えて,従来とは違う手法ではあるが抗がん剤治療も行った

このあたりに違いがあるのかなと思います。

 

白血球の値が,健康な状態の2/3くらいにまで減少していたと記憶しています。

自分自身はまったく元気で,子宮がんが再々発しているなどと思いもせず,鼻歌なんか歌っちゃうくらい,本当に元気でしたから,「私の免疫力が下がっている…?」と,信じられない気持ちでした。

 

「白血球の値を下げないように,もっと勉強して対策しておけばよかった」とか,いろいろと悩んだりもしましたが,そもそもの白血球がどういう役割をしているのかすらも知らず,覚悟が足りませんでした。

 

放射線照射で抵抗力や免疫力が下がるという話は事前に受けていたような。

ですが,まったく気にも留めていませんでした。

 

岡江さんは,お医者さまの言うことをきちんと守って,治療に臨んでいたのでしょう。

それでも,がんにかかっていた体は,抵抗力が弱くなってしまっていたのかもしれません。

それが放射線のせいかどうかはわかりません(恐らく違うでしょう)。

 

当時の私のような人へ伝えたいこと

私ががんだった頃に新型コロナウイルスが広がっていたら,かかっていたかもしれません。

 

そんなときは,主治医のことをよく聞く以外にありません。

いろんな不安はつきないでしょう。

 

ですが,そんなときこそ,お医者さまのことを信じるしかないのです。

専門の知識を持った人からの情報を信じるしかないと思います。

「自分も放射線で治療したから,コロナにかかってしまう」

そんな不安を抱くのは無理もありません。

 

だけれども,しっかり受け止めてくれる医療従事者は必ずどこかにいます。

「それは違うよ」

「あなたには当てはまらないよ」

「あなたは当てはまるけど,ちゃんと対策できます」

そう言ってくれる人がいるはずです。

諦めずに,不安を拭ってくれる人を探し続け,伝え続けましょう。

 

上っ面の心配だけする人は,その後の人生に良い影響は及ぼさないので,思い切って排除しましょう。

こんな人↓とか即退場願いましょう。

blueguitar.hatenablog.comニュースの内容を丸飲みするのではなく,信頼できる人に相談しましょう。

 

こんなブログの記事を鵜呑みにするのではなく,他にも情報を取り入れた上できちんと主治医や看護師に伝える。

新型コロナウイルスは厄介なやつですが,正しく知って,正しく恐れる。

 

がんの治療も,正しい情報を得て,「怪しい」とか「嘘くさい」といったマイナスの評判をまずは排除して,ちゃんと吟味する。

情報に振り回されることなく,冷静に,冷静に判断しましょう。