生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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がん検診は意味がないのか【なくはないと思う】

前回の記事はこちらから読めます↓ 

blueguitar.hatenablog.com--------

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自分もがんになるんじゃないか心配だけど,ネットでは「がん検診は意味がない」とか書かれていたりする。

できることなら,がんにはかかりたくないけど,そんなことを心配しないで済むにはどうしたらいいの?

 

そんなことを思い悩んでしまっている方に,2つのがんを同時に患った経験のある私から,お伝えしたいことを書いてみます。

がん検診は意味がないという人もいるけれど

早期発見できた私のケース

がんにかかるんじゃないか不安で仕方ないとか,がん家系だからいずれ私もかかるかも,と考えるのであれば,半年に1回くらいのペースでいいので,検査は受けたほうがいいと思います。

2004年に子宮頸がんが見つかったとき,私は自分からすすんで受診したわけではありませんでした。

 

計画していた旅行の時期にちょうど生理が来そうだったので,ピルを処方してもらおうと思いたち,ある婦人科クリニックに行きました。

しかし,そのクリニックでこう言われました。

 

「子宮がん検診を受けないとピルは処方しない」

 

えー,そんなー。

渋々受けた検査で,初期の子宮頸がんだということがわかり,がん専門の大病院を紹介されて詳しく検査され,1a2期の子宮頸がんの診断が確定し,入院・手術となりました。

「ギリギリの1a2,あと少しで1b期に入りそう」だと言われました。

 

もしも,あのとき検診を受けていなかったら?

30代初めで思い上がりも甚だしい,鼻につく女だった私は,「自分は大丈夫」「アタシって健康だし」と,何の根拠もなく能天気で生き続けていたことでしょう。

そして,ある日突然,もっと進行したがんを宣告されていたかもしれません。

 

友人にこの話をしたら,「私もピルもらいに病院行ったけど,そんなこと検診受けろとか全然言われないで,すぐもらえたけどな」とビックリされました。

 

めぐり合わせというか,このようなケースもあるのです。

私自身,生理痛が重くて,PMSもひどくて,長年悩まされ続けてきました。

ですから,「どこか悪いんだろうなー」とは薄々思ってはいたものの,まさかがんだったとは。

がんが生理痛の要因ではないようですが,婦人科系で気になることがあれば,婦人科に特化した検査は受ける価値はあるのではないかな,と私は考えます。

 

がん検診に意味はないという人の見解

では,がんに特化した『がん検診』はどうなのでしょう。

このような記事を見つけました↓。

gendai.ismedia.jp

近年、世界的な研究が行われ、人間の場合も生涯大きくならないがんが相当数あることが分かってきました。そうしたがんは、へたにいじらない方がいい。それに、もしタチの悪いがんなら、早い時期に全身に転移するので、早期発見した時には手遅れの場合が多く、予後はそれほど変わらないというのが私の考えです。 

 

検診に大金を費やすより、予防に力を入れるほうが、国民の健康保持にとってはるかに有効だと私は思います。

 

diamond.jp

 ただし、がん検診は万能ではありません。がんがある人を「異常あり」と正しく判断する割合(12ヵ月以内にがんと診断されるもの)は、60~80%程度です。検診を受けても、見逃されてしまうケースもあります(偽陰性)。要因は、検診機器の限界、医師や検査技師の技量と技術の問題などさまざまです。反対に、「がんの疑いがある」と判定されて精密検査が行われた結果、問題がないケース(偽陽性)もあります。

 検査を受けたところで,検査そのものに危険もあるし,早期発見した時点でそれは『早期』じゃなくなっている可能性もある,ということですね。

 

私が最後にがんの治療を終えたのは2008年ですから,10年以上も経過して,検査方法も進歩したでしょうし,診断基準も変わっているかもしれません。

相変わらず私は素人のままですし,詳しいことは専門家に任せるしかありません。

 

執筆時点の2020年,新型コロナウイルス感染症の拡大防止が叫ばれ,医療に対する関心がより高まっている状況でもあります。

そのような中で,自分なりの判断をするには,正しく情報を取り入れ,正しく恐れる。

これを徹底するしかないと思います。

 

何を選び,何を選ばないか,この判断力を身につけるには,いろいろな情報を得て,自分の頭でしっかりと考えるしかないのです。

がんに限らず,何かの病気が潜んでいる可能性は誰しも否定できません。

だけど,検査を受けて異常がなかったからといって,安心しきるのも,ちょっと違うのかなと思いますが。

ドクターショッピングと言われようと,自分が納得いくまでのことをすればいいだけ。

「検査が異常なしでも,なんかどこかおかしい気がするんだよな」

そう思うのなら,お金はかかりますが,別の病院に行くのもアリでしょう。

病院に行く勇気が出ないなら,自分で検査できるというキットも売っています。 

 

それでも異常がないのなら,生活習慣を改めるとか,そういった方向に考えをシフトしていくほうが,よほど健康的ではないでしょうか。

 

ちなみに,この2つの記事を読んで,さらに,他にも同じような見解の論文や記事をいくつか読みました。

その上で,今の私なら,大きな病院での検査は受けなくてもいいかなと思っています。

自分で検査できるのなら,そちらのほうが気楽ですし。

 

もちろん,治療が終わってからの定期的な検査は必要ですが,再発や転移,また,それ以外のがんについては,もうそんなに恐れていません。

もう十分生ききったなという感慨があるので,あまり「まだ生きなきゃ!」という気持ちもこれ以上ありません。

 

一日一日を淡々と生きていれば,遅かれ早かれ,あの世に行くことになります。

せめて,苦しくなく,穏やかに逝くことができるように,日々の生活に気をつけていればいいかなと考えています。 

それでもがんにかかるんじゃないかと心配している人へ,考え方のヒント

「若くてもがんにはなるし,気づいたときには手遅れなんじゃないか,若いと進行も早いというし」

「お腹の調子が悪いけど,腸のがんなんじゃないだろうか」

「胃がむかむかしてるけど,胃がんかも…」

「声が出づらいけど,咽頭がんだったりして」

そんな恐怖で夜も眠れないという人もいるかもしれません。

 

闘病記のようなブログの内容に引きずられて,「がんって痛いんだろうな,つらいんだろうな,抗がん剤で髪の毛抜けるんだよな,死んじゃうんだよな」と思う人もいることでしょう。

 

まず,「がん=死」ではないことを言っておきます。

私はどういうわけか,初めて告知されたときに「がん=死」だとはまったく思わず,ショックではあったけども,「普通の人と違う体験ができる!」と,心のどこか片隅で小さく思ったのを記憶しています。

 

何度もこのブログで私の経験を書いていますが,痛くもなく,遊んでばかりいられる治療法もあるのです。

もしもがんになったとしても,生きる希望を持つしかないのです。

「死にたくない」と言っている瞬間も生きているのですから,違うことを考える努力をしたほうがよほど賢明です。

 

恐れすぎることでストレスが重なるほうが,かえってがんにかかるリスクを上げます。

ネットで検索すると,がんに限らず,どんな病気の症状でも,自分の症状と当てはまります。

必要以上にググったりするのはやめましょう。

 

気になる症状があれば,病院に行く。

億劫なら,自宅で検査できるキットを試してみるのもアリ。

検査結果に納得できなければ,医療機関で受診し直す。

異常がないことに納得したら,ストレスを溜めないように楽しく過ごすことを考える。

 

情報に自分の未来を決めさせるのではなく,最後に決めるのは,いつも自分なのです。