とにかくかゆかった放射線照射【12年後の今もたまにかゆいけど】
前回の記事はこちらから読めます↓
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『UMSオンコロジークリニックでの入院生活をほじくり出そうシリーズ』です。
以前に,放射線照射で治療しているときの写真を記事に載せました。
治療開始4週間が経過した時点と,さらに6週間後,そして現在の比較をしてみました。
放射線治療をすると,皮膚が焼かれてやけどが起こります。
この記事でも少し触れていますが,2種類の抗がん剤の点滴のうち,1種類がかゆみを誘発するとのこと。
それはもう,かゆさのあまりに眠れなくて,夜中に泣いてしまうほどでした。
同じ頃の日記を読んでいましたら,とにかくかゆいことを診察で訴えていた日がありました。
2008年7月4日に書いたものです。
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かゆいよぅ。
先生,ウルトラかゆいよぅ,くすん。
「ちょっと診てみようか」
ちょっと待ってー。
脱ぐのもひと苦労。
「ごゆっくりー」
ここ,ここ,このあたり,ブラのワイヤーが当たるとことか。
「あぁぁ… こりゃかゆいよねぇ… ブラジャーするの,やめたら?」
やだー,私,ブラジャーしないと生きてけない。
「コットンのものにするとか,ガーゼを当てるとかさ」
なんかそれ,無理があるー。
「しばらく休みますか」
休むって,治療を?
そうすると,終わるのが延びちゃうってこと?
「うん,そうなるね」
それもちと困るなぁ。
7月中には終わらないと…
「あぁ,それなら大丈夫。念には念を入れて,お薬もやめましょう」
この痒いのって,抗がん剤の影響もあるの?
先週,旅行に備えて(※この前の週末に屋久島に1泊旅行に行きました)点滴と飲み薬をやめて, 今週になってかゆさが強くなってきたから,なんか関係あるのかな?と思ってたけど。
「これは今までのツケが溜って出てきたの」
へぇぇぇ… そうなんだー。
とにかく,超スーパーウルトラかゆいの。
入院先の看護師が,オイラックスとか出そうかって話してました。
「オイラックスって,なぁに?」
痒み止め… だよね? Sさん(※クリニックの看護師さんです)。
「ボク,塗ったことないからわかんないけど, じゃあ,そのオイラックスってーので様子を見ましょう」
わかりましたー。
あと,掻きすぎて圧痛もあるんですど…
「インテバンっていうクリームが売ってあるから,それで効くと思うよ。 筋肉痛のときに塗るようなバンテリンとかみたいな」
塗る順番はどうしたらいいんですか?
「優先順位で,オロナインは一番最後でいい。 かゆいのと痛いの,どっちがツライ?」
やー,今はかゆいの!
「じゃ,かゆみ止めからね」
わかりましたー。
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植松先生の診察は,いつもこんな感じでした。
「これはやっちゃダメ」など言われたことがありませんでした。
私の乳がんは,告知当初は直径6cmくらいでしたが,治療開始までの2か月あまりで10cmくらいにまで大きくなっていました。
その大きさから,まずは左胸全体に放射線をかけ,そして病巣ごとのピンポイント照射へと移っていくという流れでした。
以前の記事の写真を見てもらえればわかりますが,6週間目には,皮膚全体が焼けただれています。
ぜんぶで8週間かかったので,ここからさらにやけどは進行しましたが,かゆみの元となる抗がん剤をやめたおかげで,治療が終わる頃にはだいぶ収まりました。
今もたまにかゆくなります。
ですが,当時のような激しく掻きむしりたくなるほどのかゆみではありません。
蚊に刺されたときよりも軽い程度ですが,かゆくなる場所はだいたい決まっています。
「あのときのことを忘れず,支えられていることに感謝して,謙虚に生きなさい」ということを,このかゆみが思い出させてくれているのかもしれません。