生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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環境を変えることで人生を変えた話1【効果は絶大】

前回の記事はこちらから読めます↓ 

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人生を大きく変えるには,強烈なインパクトが必要です。

 

2019年夏に放映されたドラマ『凪のお暇』で,黒木華さん演じる大島凪が,仕事や同僚との距離感に疲れていたとき,つき合っていた彼氏の陰口を聞いてしまい,過呼吸になって倒れました。

そして,人生をリセットすべく,会社を辞め,郊外に引っ越し,くせ毛をストレートアイロンで伸ばすこともやめ,SNSも削除し,時間や人間関係に縛られない生活を始めます。

たしかに,これくらいやらないと,変わるきっかけはつかめないと私も思います。

 

そこには,お金の壁,感情の壁,そして,親の壁…

いろいろな壁がありましたが,それらを乗り越えて環境を変えることができ,今は小さな幸せを実感しています。

 

今回から何回かに分けて,環境を変えることでどれだけ人生を変えることができるのか,私の例を書いてみましょう。 

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東京に憧れた

大きな区切りとなったのは,それまでの生き方を変えたくて,30歳で上京することを決めたときでした。

思い切って上京したことで,一気に環境が変わりました。

 

ずっと東京に行きたいと思っていたけれど,決心がつかず,ズルズルとそんな年齢になるまで思い悩み続けていたのです。

 

田舎の人間関係は濃く,ちょっとしたことがすぐに噂になって,そこに尾ひれがついて,ありもしない話となって急速に広まります。

そして,マウンティングされて格差が助長されていくのです。

 

ただでさえ自己肯定感の低い人間としては,そうした狭い価値観しか目の前に展開されていない環境にいると,自分を蔑むだけの生き方しかできませんでした。

 

すべての地方都市がそうとは言いませんし,相性もあるでしょう。

私の場合は,身近にいた親類や友人が,金持ち自慢をしたり,私に指図したりするのが耐えられませんでした。

なぜか直接関係のない人とも,いつの間にかつながっているという密度が気持ち悪すぎたのです。

 

ネットがない時代でしたから,地元の人からの噂以外の情報源は,テレビやラジオ,新聞や雑誌でした。

それらは,本社が東京にある企業から発信されるものが大多数だったので,どうしても東京の情報を元に発信されるものが多いのです。

タレントさんが発することばも「環七を抜けたあたりの●●って看板のあるところ〜」とか,「竹下通りのそばの〜」なんていう,東京のことを知っている人じゃないと言えない地名やお店の名前が,当然のごとく紛れ込んでいます。

 

そうしたものにばかり触れていたせいか,東京に行きたいという憧れが強くなるばかりでした。

東京に逃げ道を求めていたのかもしれません。

どうやって東京での住居を見つけたのか

現代では,ネットでいろいろな情報が簡単に得られます。

私が上京を決めた頃,ようやく一般家庭にもインターネットが普及し始めました。

 

あるとき,それまでおつき合いしていた人と別れ,半ばヤケクソ気味に,貯めていたお金でパソコンを買いました。

固定電話の回線から,ダイアルアップという方式でインターネットに接続します。

Yahoo!で検索すると,さまざまな情報がすぐに見られることに感激したものです。

 

ある日,ふと思いつきました。

「これで検索すると,コネもお金もないけど上京できる方法が見つかるかもしれない」と。

今なら当たり前になった「検索」という行為というか,作業というか。

笑ってしまうくらい,当時は,ネット検索でできることの幅広さをわかっていなかったのですね。

 

早速調べてみると,学生寮を運営する企業が,空き部屋を社会人向けにも貸していることがわかりました。

お風呂とトイレは共同だけど,朝と夜の食事もついてくる。

東京23区内で,月額4万円でした。

 

これしかない。

ネットで資料を取り寄せるという行動も,たぶんこれが初めてだったと記憶しています。

それでも「怪しい会社なんじゃないか」と,不安で仕方ありませんでした。

一度でも資料請求すると,DMがバンバン送られてくるというのが,当時のマーケティングの主流でしたが,幸い,その会社はちゃんとした上場企業で,そうした追加のDMが送られてくることはありませんでした。

 

今でもそのサービスを運営しているようです。

覗いてみると,おしゃれな居室の写真が並んでいますが,当時は,ここまで綺麗じゃありませんでしたね…

 

今と違って,情報の壁が厚く,そして高く存在していた時代でした。

せっかく有益な情報を見つけても,それを良いものか悪いものかを見極められる判断材料に乏しかったのです。

 

現代では,得られる情報量も莫大なものとなり,それにともない,価値観も多様化してきました。

となると,東京に憧れるという人は減ったのでしょうか。

 

そこで,今の若い人たちは,どれくらい東京に憧れを抱いているか,ちょっと調べてみました。

 

株式会社グローバル・リンク・マネジメントという不動産企業が設立した「グローバル都市不動産研究所」の調査によると,15~29歳の年齢階層が進学・就職を機に東京都に流入したと想定されるとしています。 

特に,20代前半の女性は,「東京で暮らしたかったから」「親元や地元を離れたかったから」という理由が半数以上を占めているようです。 

出展:東京都の転入超過が8万人超,女性が男性を上回る20~24歳女性が上京する理由とは?東京一極加速化を分析~都市政策の専門家市川宏雄氏監修~

今でもやはり,東京で暮らしたいという憧れを抱く人は少なくないのですね。

東京でなくても,まったく違うものが見える場所へ移ろう

東京は楽しい場所です。 

なにも「東京に住もう」と言いたいのではなく,人生を変えるために環境を変えるのならば,それまでとはまったく違うものが見える土地に移るほうがいいということをお勧めしているのです。

 

「東京は冷たい」と言う人もいますが,それは,馴れ合いが日常になっている人が言うことばです。

自分のことをいつもいつも助けて見守ってくれているような環境から一歩でも踏み出さない限り,自立はできません。

 

「東京は怖い所らしいぞ」と,私も親類から言われました。

ですが,怖い目に遭ったことはまずありません。

悲惨なニュースばかりを視ているせいで,そのような思考になってしまっているのでしょう。

その親類は,特に娯楽や趣味もなく,テレビを視るのが日常なので,そのようなことしか言えないのです。

 

現代では,どこでも仕事ができるようになりました。

新型コロナウイルスの感染拡大で,リモートワークの本格導入はこれからどんどん加速していくでしょう。

東京でなくても,郊外のシェアハウスなどいいかもしれません。

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シェアハウスは,食事がついていたり,管理人さんが常駐しているような,寮のような運営方法とはまた違います。

ですが, それまで住んでいた場所では出会えないような人たちとの交流が待っています。

私がいた学生寮でも,さまざまな地域から来ている人と出会うことができました。

人としゃべるのが苦手ならば,別に無理して話す必要はありません。

まっさらな状態から人間関係を構築するのですから,「あの家の娘は〜」「あの親だから〜」などという噂話を気にする必要はないのです。

 

最低限の常識として,挨拶をしっかりとできていれば,それでいいのではないでしょうか。

少なくとも,私はそうしてきました。

友だちもいない,知っている人がまったくいないところからのスタートは,もちろん寂しかったし,不安でした。

ずっと泣いていました。

 

ですが,覚悟が決まります。

それまでの自分のままじゃいないぞ,という決意が固まります。

どうせ環境を変えるのなら,ずっと憧れていた東京に住もうという決意と覚悟があったから,今の私があると思っています。

 

もしも,何かに行き詰まっているのなら,住む所を劇的に変えてみることから始めてみるのもいいのではないでしょうか。

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さて,東京に住むと決めたはいいのですが,そこから実行に移すまで,またグズグズと考えてしまったのが私の悪いところ。

次なる壁が待ち構えていました。

 

次回に続きます。