生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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社会人が効率的に勉強するため使える本3選【これくらいで十分です】

前回の記事はこちらから読めます↓ 

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通信制大学の学生であることは,以前にも書きました。

2つのがんの治療がすべて終わって12年。

普通の健康な人間として生活し,仕事をしながら大学の勉強を続けています。

 

多忙な社会人としては,効率的に勉強したいものです。

私個人は,効率を求めるのは好きではありません。

本質的な部分を把握できていなければ,効率を求めるべきではないと思っているからです。

回り道になっても,身につけるべき基礎が身についた上で勉強していくことで,結果として効率がよくなるのではないでしょうか。

 

やっていくうちに無駄がわかる。

やっていくうちにその無駄の排除の仕方がわかる。

 

それでも,「自分のやり方に無駄があるんじゃないのかな?」という不安は生じます。

そこで,視点を少し変えて,「効率」ではなく,「効果的・・・」に勉強するにはどうしたらいいだろうかという視点で本を探してみました。

いろいろと読み漁ってみたなかから,これぞという本を3つご紹介します。

突飛なことをやるよりも,実直に,着実に取り入れられるものばかりです。

勉強法の本は世にたくさん並んでいますが,これくらいあれば十分だと思います。

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『超速読力』齋藤孝 

本を速く読めたら,たくさんの知識や情報が身につきそうです。

速読というと,バラバラバラバラバラバラバラバラ…と高速でめくるようなイメージですよね。

こんな感じでしょうか↓


本の要約アプリflier_2019CM「こんな読み方しなくても」篇

要約アプリに頼るのもいいですが,それに入っていない本を読まなければいけない場合はどうしたらいいのでしょうか。

 

しかも,ただ読んでおしまいなだけではなく,ちゃんと理解した内容を活かせなければ,勉強の意味がありません。

 

世の中には「速読術」の講座や教室がたくさんあります。

速読に関する本も多く出版されています。

ですが,どれも結局,簡単には身につかないといわれているようです。

 

では,地に足の着いたやり方で,本を速く読めるようになるにはどうすればいいのでしょうか。

「超速読」というと,猛スピードで活字を目で追っていくことだと誤解する人がいますが,そうではありません。中身を理解して,コメントを言う。「読む行為」と「コメントを言う」行為をセットにする。それが「超速読力」の基本になります。

(『超速読力』齋藤孝 p.12 ちくま新書

 

そもそも,世の中では「速読」ということば自体が誤解されているような印象を受けます。

 

具体的なトレーニング法も書かれています。

私の授業では,資料を一枚一五秒で読む練習をしています。私がストップウォッチを持ち,一五秒ごとに,「はい,次」「はい,次」」というぐあいに,どんどん資料を読み進んでいくのです。

最初はみんなとまどいますが,一カ月もすると,全員がもれなく一五秒で一枚を読み,さらにちゃんとしたコメントも言えるようになります。

(以上,『超速読力』齋藤孝 p.88 ちくま新書

私が以前の記事に書いた,時間を区切ってテキストを読むやり方に通じます。

時間を区切ることで,緊張感が生まれます。

その緊張感によって集中することができるのです。

 

そうして培われた集中力で,勉強に取り組めるようになります。

勉強法をいろいろと模索するよりも,本を集中して速く読めるようになることを目指すほうが,結果として効果的に勉強できるようになるのです。

『最短の時間で最大の成果を手に入れる超効率勉強法』メンタリストDaiGo

こちらも齋藤孝さん同様,言わずとしれたお方です。

ニコニコ動画YouTubeでも,その知識を余すことなく提供しています。

DaiGoさんといえば心理学。

著書も多く,人脈の広げ方やお金に関すること,片づけ,恋愛にいたるまで,幅広い分野を心理学の視点から解説しています。

 

そのなかでも勉強法に関するこの本は,社会人でなくても,勉強を課せられている人たちすべてが注目すべきです。

現在の教育界は,昔ながらの非効率な勉強法であふれています。

どれだけ時間をかけても「やったつもり」になるだけで,

真の成果は得られません。

本当に必要なのは,科学に裏づけられた「正しいテクニック」だけを使うこと。

そして一日でも早く,貴重な時間を限界まで有効に使う

「超効率勉強法」に転換することなのです。

(『最短の時間で最大の成果を手に入れる超効率勉強法』メンタリストDaiGo まえがき Gakken)

この本でも,たくさんのテクニックやトレーニング法が紹介されています。

科学的に効率が悪い勉強法が列挙され,それがどうしてダメなのか,解説してあります。

  • 蛍光ペンなどでラインを引くことは無駄
  • 語呂合わせで記憶しても役に立たない
  • 「要約して」という先生の指導は学生に負担をかけているだけ
  • テキストの再読は受け身の勉強法である

などなど。

では,どうすればいいの?というテクニックが満載です。

私は「テクニック」に走るのは好きではないのですが,一つひとつのやり方を具体的に根拠を充てて述べているので,納得して取り入れることができます。

個人的には,「日常の不安や悩みを瞑想トレーニングのチャンスに変える」というページが好きです。

  1. 不安や悩みが浮かんだら「思考は現実ではない」ことを思い出す
  2. 呼吸や胸の動悸といった身体の感覚に注意を向ける
  3. 周囲の環境に注意を向ける
  4. そのまま特定の対象に注意を向け続ける
(『最短の時間で最大の成果を手に入れる超効率勉強法』メンタリストDaiGo p.204 Gakken)

勉強でなくても,日常生活でも使える考え方です。

『受験脳の作り方ー脳科学で考える効率的学習法』池谷裕二

池谷さんも,脳研究の分野ではとても有名な方です。

薬学博士としての立場もお持ちで,また,雑誌でのエッセイの連載もされています。

その池谷さんが,もともとは高校生向けに書いた勉強法を,受験に限らず社会人にも向けた内容として加筆されたものです。

 

ただ勉強のやり方を伝えるだけでなく,脳の海馬が学習のカギを握っていることを解説されてあり,より深く効率化への理解ができるのです。

特に「睡眠の不思議」の章では,眠ることも勉強のうちであると言っています。

皆さんは,復習は努力してやるものだと思っていることでしょう。ところが驚くべきことに,努力しないまま,復習をしてしまう、、、、、ことがあるのです。睡眠です。眠っている間にも,脳は知らずしらずのうちに復習をしているのです。

(『受験脳の作り方ー脳科学で考える効率的学習法』池谷裕二 p.112 新潮文庫

寝ている間に脳の海馬が情報を整理してくれているというのです。

徹夜して睡眠時間を削ってしまうと,学力は積み上がりません。

こうした勉強を効果的にするためのあらゆる情報を,記憶が専門である脳研究者として提供してくれています。

まとめ

Amazonで「勉強法」と検索すると,8000以上の候補が出てきます。

「東大生の●●勉強法」

「ハーバード留学で学んだ●●する勉強法」

このような題名が並んでいます。

 

私もさまざまな勉強法に興味があり,いくつもそうした本を読んできましたが,最終的にはこれら3冊に集約できるのではないかと思います。

 

効率を求める気持ちもわかります。

ですが,この3冊は,一足飛びに身につくものではなく,ある程度の努力は必要であり,その方法論を理解できてこそ,真の効果が発揮できるということをわからせてくれます。

勉強に近道はありません。

まずは自分の核となる勉強法を見つけるために,この3冊から始めてみるといいでしょう。 

超速読力 (ちくま新書)

最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法

受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)