セカンドオピニオン後、旧・主治医の反応は意外にもあっさりしたもんだった
2008年5月7日の日記から。
UMSオンコロジークリニックで治療すると決めてから数日が経過し、別のがんの手術からちょうど1ヶ月後の検診となりました。
はじめに、そちらの検診での様子を。
(※このブログでは、名称を当時のまま表記しています)
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乳がんの治療はどうするのか訊かれたので、癌研ではなく、鹿児島の植松医師のもとで行うと告げた。
「そうか~。さびしいねぇ」
そのフレーズに、なんだか胸がきゅぅっとなる。
ごめんね、S先生。
だけど、こっちのがんは今後も先生に診てもらうよ。
「鹿児島は今、篤姫ブームで混んでるらしいじゃない!」
病院も混んでるのかな? んなアホな。
がんばってね!と励まされ、S先生かたい握手を交わし、次を待つ。
内科と化学療法科の診察。
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そうか、『篤姫』のときだったんだな。
この時点で、S先生とはもう3年くらいのおつき合いだったかな。
楽しい先生でした。
この検診の日は同時に、乳がんをこの病院で治療するものとして、準備が進められていました。
1日中、がん研有明病院にいる予定でした。
セカンドオピニオンというと、最初に診察したお医者さんから嫌味を言われたとか、圧力かけるようなことをされたとか、怖いイメージを持つ人もいるかもしれません。
私も、その覚悟を決めていました。
そして、化学療法の診察に向けて、腹をくくっていたとき。
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PHS、呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん。
化学療法の先生、顔を見るや、
「今カルテを見たら、S先生が“鹿児島で治療”と書いているんだけど。
だったら、診察の必要がないんだけど」
じゃあ、いいでーす。
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PHSというのは、がん研で診察受付と同時に渡される、連絡用のPHSのこと。
通話はできない。
診察の順番が近づくと、これの液晶に「中待合室に入ってください」とか「診察室にお入りください」とか表示されます。
大きな病院では、待たされる時間が長いから、待っている間を有効に使えるようなシステムになっていて、院内のどこにいてもいいの。
コンビニもあるし、カフェもレストランもあるし、本当に快適だったな。
そして、化学療法科の診察をスルーすることができたが、まだ待ち構えている診察がありました。
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続いて内科。
これも抗がん剤治療に心臓が耐えうるかの診察だったが、
「今カルテを見たら、S先生が“鹿児島で治療”と書いているんだけど、
だったら、診察の必要がないんだけど」
植松先生が、できるだけ検査してもらえって言っていましたー。
どんな手法で治療するかわからないから、
「持っていっても使えるかどうかわからないしねぇ…」
じゃあ、いいでーす。
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ここでもまたスルーすることができました。
しかし、ラスボスが待ち構えていました。
トンヅラするか…と思ったそのときでした。
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このままトンヅラして終了だ、やったー、
と思っていたらPHSでお呼び出し。
「乳腺科の主治医が、今手術が終わったので診察します、と」
げげげ…
またいらぬ妄想を始めてしまった。バトル勃発か?
ほどなくして、乳腺科のI先生の診察室へ。
「鹿児島で治療するってことらしいけど、どこに行くの?」
だーかーらー!
植松先生からのお手紙はまだ届いていないのかしら。
(※セカンドオピニオンが終わって、UMSオンコロジークリニックで治療すると決めた後、「私から癌研にお手紙を出しておきます」と植松先生がおっしゃっていました)
病院名と植松医師の名前、治療法を大まかに伝える。
温存しても、手術をしても、鹿児島での治療法にしても、再発や転移の可能性が変わらないのであれば、少しでもダメージの小さいほうからやっておきたいと伝えた。
「うん、その選択もいいかもしれませんね」
?!?!?!?!?!?!
ありゃりゃ、いともあっさりと。へなへなへな~。
「抗がん剤にしても、放射線にしても、ある程度やってみたところで、後から効きにくいってことを避けたいから、初めに標準的な治療から入るってのが一般的でね。
そういった点からすると、また違った角度から見た治療法なのかな、と思う」
その他、いろいろと治療法について議論を交わす。建設的に。
「まぁ、今後はセカンドオピニオンというかたちで、ご相談に乗るということで、またなんかあったら来てください」
終了。
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この反応は、私が最初に診察してもらったのが、がん専門の病院だったからかもしれません。
世の中で言われている話でよく耳にするのは、「医者のプライドを傷つけられた」「あなたなんか、よそで治療しても助かりませんからね」などと暴言を吐かれたという話。
このご時世、そういうことは減ってきていると思いたいですが、まだ現在でも少なからずあるかもしれません。
ですが。
ですが、自分のカラダと、医師とはいえ、他者の都合に合わせることと天秤にかけて、重いのはどちらでしょう???
よーく考えてみてくださいよ。
私は、これをきっかけに、だいぶ強くなったと思います。
乳がんになったきっかけも、たぶん、あのせいだろうなと思う出来事があります。
その出来事はまた別の話ですが、それはやはり、自分の弱さも要因の一つだと感じています。
最終的な選択をどうするかはおいといて、セカンドオピニオンを受けるだけでも、多様な治療法の一つとして、候補に入れておいてもいいのではないでしょうか。
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