『一般論』よりも『選択肢の候補』を徹底的に探した頃
前回の記事はこちらから読めます↓
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昔書いていたブログの記事を見てきたら,乳がんの診断を受けた病院とのやり取りが出てきました。
子宮頸がんの再手術を受けた数日後だったか,今度は乳がんの治療のための検査を,同じ病院で受けていたときのことでした。
不安でたまらない気持ちが,医師への不満と相まって吐き出された書き方をしていました。
2008年4月8日の日記です。
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午後、セカンドオピニオンの書類を貰うために診察室へ。
「どこに行くの?」
乳腺科の主治医から訊かれ、元K病院の医師の名を告げた。
「面識はないけど、知ってる。放射線の先生でしょ? 乳腺の専門じゃないから、ちゃんとした答えは得られないと思うよ」
S病院の名も出してみた。
「まぁ、恐らくどこに行っても同じような見解だと思うけどね」
口調が穏やかな分、まともなことを言っているように聞こえてしまう。
自分が一番正しい、と言っているわけではないのだろうが、今一つ腑に落ちない。
彼は彼で少し距離を置いておく部分が必要か。
もらえるだけの部分を見極める目と耳を鋭敏に保つべし。
来月に予定されていた検査を前倒ししてもらいたくて交渉したら、検査部門を説得してくれて、この診察直後にやってもらえることになった。
このへんは、柔軟に対応してもらえるのは助かる。
「言ってみるもんだねぇ」と笑う主治医。
喋りやすさというか、人あたりはいいのだが…
脇の下のリンパ節に針を刺す。
1回目失敗。
2回目に移ろうとして、「大丈夫?」と訊かれ、痛いけどがんばると言ったら「んー、がんばらなくてもいいんだけど、無理?」と再び訊かれる。
無理だと言ってもやることを、わたしは知っている。
えもいわれぬ屈辱感を抱くのはなぜだろう。
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“ 元K病院の医師の名”は,植松先生のことです。
世界初からだに優しい高精度がん治療 ピンポイント照射25年間の軌跡
S病院は,どこだったかな?
誰かに,乳がんならそこもおすすめだよ,みたいなことを言われたんだったかな。
もうすっかり忘れてしまいました。
入院中に他のがんの検査をしてもらえるのは,本当にありがたかったですね。
そこはラッキーとしか言いようがないです。
不幸中の幸いというか。
UMSオンコロジークリニック(当時の名称はUASオンコロジーセンター)で治療を受けられるかどうか,まだわかっていない頃です。
セカンドオピニオンを申し込んだら,「受けられるだけの検査を,なるべくたくさん受けて,結果を持参してください」と言われたのでした。
(セカンドオピニオンを受けたときの様子はこちら↓ )
もやもやとした気持ちのまま,子宮がんの治療が一区切り着いて,次はどうなるのか,不安で不安でたまらなかった時期でした。
不安すぎて,勉強も検索もしていませんでした。
脇のリンパに針を刺す検査の名前もいまだに知りません。
ネット上では,いろんな検査や治療法の名前が飛び交っていて,「自分のタイプはナントカネガティブだった」など書かれていますが,私は何も調べませんでした。
調べれば調べるほど不安が増しそうな気がして。
それでよかったのかどうかはわかりません。
「動け」とか「いっぱい検索して情報を得て」とか,他のページでさんざん書いている私ですが,抗がん剤の名前やホルモン治療のことすら,今も知識がありません。
知りたいことを知る,それだけでした。
それがかえってよかったのかもしれません。
私は『治療の選択肢の候補』はたくさん調べたけれども,一般論(=標準治療の内容)はそんなに必要としていなかったのかもしれません。
今になって,そう思います。