UMSオンコロジークリニックの評判【治療終了12年経過しました】
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UMSオンコロジークリニックでの治療は,どんな評判なのでしょうか。
私は,2008年にUMSオンコロジークリニックで乳がんを切らずに治療しました。当時の名称はUASオンコロジーセンターといいました。
治療開始時は病巣が直径10cmにまで大きくなり,転移も3か所ありましたが,2020年現在,再発も転移もなく元気に暮らしています。
この記事では,私がどのような流れで治療を受けたのか,評判との違いもまじえて書いてみましょう。
1. UMSオンコロジークリニックの評判
1-1 「苦しくない,痛くない,つらくない」という評判は本当なのか
がんの治療といえば,手術,抗がん剤,放射線照射と,つらいことが目白押しの印象しかないでしょう。自分のカラダにメスを入れられるのは怖いです。内視鏡(腹腔鏡)手術の技術が発達して,大きく切開する必要がない場合もありますが,ステージによっては内視鏡手術が適用されないこともありえます。
抗がん剤についても,髪の毛が抜ける,猛烈な吐き気に襲われる,手足がしびれる,などの副作用は避けられないというイメージが根強いでしょう。薬品の種類や相性によっては,そうした副作用がないパターンもあるようですが,概ねこのような例が多く見受けられます。
放射線照射は,一般的な流れを見ていると,手術後の補助的治療という位置づけなのかなと感じています。特に初期の治療は,まず病巣を切除し,再発や転移を防ぐ意味で照射されるという行程をよく聞きます。
ですが,UMSオンコロジークリニックでの治療は,手術をしません。
抗がん剤は必要としないことがほとんどのようですが,私は抗がん剤も投与されました。ですが,髪の毛も抜けず,吐き気もほとんどなく,入院生活を終えることができました。
2か月間,ほとんど楽しいことだけで埋められた毎日でした。
植松先生の著書のタイトルどおり,『明るいがん治療』でした。
怪しいとか,それで治るわけないとか,いろいろな評判をネット上で目にしますが,直接治療を受けた私から言わせてもらうと,怪しくもないし,治療終了後,一度も再発や転移は発生していません。
標準治療とはかけ離れているので,それを根拠に「トンデモ系」だとか「4次元なんてネーミングが…w」など,罵詈雑言書いている医療関係者のブログなどを時折目にしますが,エビデンスの一つとして私の例をお見知りおきくだされば幸いです。
1-2 「でも,怪しいよね…」→治療の流れ
2008年当時の私の一日の治療の流れを書いてみます。
月曜から土曜まで,毎日決まった時間にクリニックへ向かいます(現在は月曜から金曜までのようです)。
私はこれを “出勤” と呼んでいました。
提携先の病院に入院し,食事や検温,そして私はTS-1という錠剤の投薬があったので,食後に飲んでいました。
患者さんによって,出勤時刻が決められていました。
私の出勤時刻は,午前10時くらいだったと記憶しています。
出勤すると,まず抗がん剤の点滴です。
小さなバッグの生理食塩水に抗がん剤の薬品が混ぜられ,15分ほどベッドに横になります。
その間は,看護師さんと他愛もないおしゃべりをしていました。私が受けていた期間は,同じような抗がん剤の点滴を受けている人はおらず,ひとりになることもしばしばありました。
点滴が終わると,放射線照射の治療室に向かいます。
ベルトコンベアのような機械に乗って横になり,10〜15分,放射線が照射されます。
これで一日の治療はおしまいです。
近隣に住んでいる人の中には,仕事を中抜けして来る人もいました。
この他に,週に1回,これらの治療の前後で植松先生の診察がありました。
診察といっても,ある程度の期間は特に何も変わったことをされるでもなく,「最近どう?」みたいな世間話に終止することがほとんどでした。
2. がんと診断されてから治療終了まで(私の場合)
2-1 がんと診断されて
私は,その3年前に子宮頸がんで円錐切除とレーザー照射という手術を受け,経過観察中でした。3か月に一度のペースで受診していましたが,その中で乳がんの可能性が浮上したため,併せて検査したところ,子宮頸がんの再発と同時に見つかりました。
たまたま,がんを経験していたので,あまり戸惑うこともなく治療法探しに気持ちをシフトすることができました。
ですが,そのようなケースは稀でしょう。実際,他のがんと同時に別の部位で,転移ではなく原発がんとして発症することはレアケースだと,どの医師からも言われました。
まず,落ち着きましょう。
なかなかそうも言えない精神状態ではありますが,少し気持ちを落ち着けて,次にやることへと進めていかなければなりません。
私がUMSオンコロジークリニックで治療していた2008年と違い,現在では新たな治療法も生まれたことでしょう。
医療は日進月歩,おそらく格段に技術や効果も進歩していることでしょう。
そして,治療法に関する情報もあふれていることでしょう。
ぜひ,セカンドオピニオンを受けてください。
告知された病院だけでなく,違う病院も探してください。
その選択肢の一つとして,UMSオンコロジークリニックを加えるのもアリだと思います。
もちろん,私はお勧めしたいですが,相性もあれば,実際に診察されて適応しないことも十分ありえます。
選択肢を広げすぎると選べなくなる心理が働きやすいことが,心理学や行動経済学の分野でもいわれています(「決定回避」といいます)。
しかし,提示される治療法の数は,50種類,100種類といった大量なものではありません。
ただでさえ近視眼的になってしまいがちですが,視点が偏ることを避けるためにも,主治医以外の意見も取り入れてみてください。
2-2 治療法を決めるまで
乳がんと告知されてから,まず頭に浮かんだのは「切りたくない」,この一点だけでした。
当時はまだ結婚していませんでしたから,どうしても切除という選択肢を受け入れることができませんでした。
いろんな人に尋ねてみても,今ひとつピンとくるものがありませんでした。
ただ,かつてがんにかかった経験から,自分で胸に丸いかたまりのようなものを見つけた日からずっと“乳がんだったらどうしよう?”という一心で,切らない治療法を探し続けていました。
朝起きてから,夜寝るまで,ひたすら治療法を探して探して探し続ける毎日でした。
おそらく,多くの方々は,がんと告知されてから治療法を探ることになるでしょう。
できれば自分ががんにかかったときのことなど,想像したくありません。
このタイミングについては,私自身の経験からお伝えすることはむずかしいですが,誰もがかかる可能性のある病気です。
“こんな治療法もあるんだな”という情報の一つとして,記憶に蓄えておくのは無益ではないでしょう。
2-3 治療期間中の過ごし方
UMSオンコロジークリニックで治療を受けるにしても,他の医療機関で治療するにしても,自分の意見はしっかりと伝えましょう。多少わがままになってもいいくらいです。私はそれまで,他人に気を遣いすぎるくらいでありながら,他者の気持ちがわからない,そしてそれに関する悩みをいつも考えてばかりの毎日でした。
私は単なる患者に過ぎないので,がんの発症との因果関係はわかりません。
ですが,ストレスががんの一因であることは古くから言われていますし,私の周りの患者さんたちは一人残らず,周りの人に気遣いすぎるいい人たちでした。
こんなことを言ったら嫌われるかな?とか,これは常識じゃないって思われるかな?とか,もうそんなことを一切考えない。
疑問に思ったことは,医療スタッフに率直に尋ねる。
気の合う人とだけ過ごす。
そんな毎日を送ってください。
そして,UMSオンコロジークリニックは,それが可能な医療機関だと私は思っています。
ベッドに縛りつけられることもなく,放射線照射と抗がん剤の点滴の時間,つまり治療の時間以外は何をしてもよかったし,外出も外食も,1泊2日の旅行も,週末に東京へ帰ることもできました。
いまはどうなんでしょう。
実は,私が治療していたときも,入院していた病院から,外出や食事については,やや厳しいことを言われていました。
ですが,クリニックからは何も言われていませんでした。
病人らしくない,がん患者だったとは思えないくらい元気で楽しい2か月だったことは間違いありません。
クリニックで治療しないにしても,治療中は,少しくらいのわがままを自分に許す期間にしてもいいと思います。
節度をわきまえることが大前提ですが,希望を伝える権利は誰にでも平等のはずです。
おわりに
規制がいろいろと厳しくなったようで,体験談をクリニックのサイトに載せてはいけないなど,真の評判が届きにくくなっているみたいですね。
残念ながら,治療を受けながらもお亡くなりになった方々もいらっしゃるのは事実です。
しかし,元気に暮らしている人がいるのもまた事実。
負の評判ばかりに目を奪われず,じっくりと吟味して,納得のいく治療を選択できるよう,このブログもお手伝いできたら幸いです。
そうそう,植松先生の新しい本が出ているのでした。
決して怪しい治療法ではないことを,自分の目で確認してみてください。