生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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UMSオンコロジークリニックでの治療費【総額250万円でした】

前回の記事はこちらから読めます↓

blueguitar.hatenablog.com

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「UMSオンコロジークリニックでかかる治療費が知りたい。乳がんと告知されて,いろいろ調べていたら,切らずに治療できるUMSオンコロジークリニックという所があるのを知った。自由診療らしいけど,どれくらいかかるんだろう?」

今回は,このような疑問にお答えします。

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2008年に,子宮頸がんの3年越しの再発と乳がんを同時に発症しました。

3か月ごとに定期的に検診を受けていた中で,同じ病院のコネ(?)を利用して乳がんの検査も受けて見つかりました。

まず,子宮がんの治療から始めました。

都内のがん専門の大病院で,最初の治療と同様の円錐切除という手術で再発に対応しました。

ここに関しては健康保険が利用できたので,入院・手術で合計10万円ちょっとだったと記憶しています。

 

では,もう一つの乳がんですが,植松先生のセカンドオピニオンを受け,UMSオンコロジークリニック(当時の名称はUASオンコロジーセンター)で治療することを決め,2ヶ月間,鹿児島に滞在しました。

貯金もあまりできない,派遣の秘書業務をやりながら,売れない役者をやっていたのに,健康保険が使えない自由診療の費用を支払い,直径10cmの病巣と3箇所の転移を治療しました。

 

もし自分や大事な人ががんになったら…

できることなら苦しくない治療を受けたい・受けさせたいとお思いでしたら,ぜひご覧ください。

(金額は2008年当時のものですので,実際の価格などの情報は必ずご自分の手でご確認ください

 

UMSオンコロジークリニックでの治療にかかった費用は総額250万円でした

主にかかるのはクリニックに支払う治療費と滞在費

(細かい記録はうろ覚えの部分もあります)

まずセカンドオピニオンで2万円を直接,先生にお支払いしました。

そのときに聞かされた治療費の価格は 150万円 でした。

 

熟考の末,鹿児島に行くことを決めたら,次に考えるのは滞在スタイルでした。

クリニックには入院施設がありません。

そこで私は,提携先の病院に入院しました。

入院先では日額1万円ほどで,2か月いたので,60日として総額60万円。

 

筑紫哲也さんが同じ時期にいらっしゃっていましたが,筑紫さんは鹿児島市内の吹上荘というホテルにご家族でお泊まりだったようです。

さらに,2か月の間で東京に何度か帰っていたので,その往復の交通費がかかりました。

3往復くらいしたでしょうか,早割などを利用して,片道のフライトが2〜3万円とすると,合計で12〜18万円になります。

また,ただ放射線照射の治療を受けるだけでなく,治療開始時と終了時にMRIやPET/CTといった検査も受けなければならず,それらに対する費用がかかりました。

検査は合計でも5万円はかかっていなかったと思います。

 

他にも,基本的に外出は自由でしたので,病院での食事をパスして外食したりもしていましたから,そうしたおこづかいも必要になります。

それから,東京ではマンションで一人暮らしだったため,誰もいなくても,引き払わない限り家賃が発生するので,その維持費が2か月分。

 

これらをざっくり計算すると,250万円ほど必要でした。

 

なぜ,貯金もわずか,給料も安い派遣で生計を立てる売れない役者が治療費を払えたのか

前回の記事でも書きましたが,当時の私には貯金をする余裕など,ほとんどありませんでした。

 

親にも援助できる余裕はありません。

誰にも頼れない経済状況でしたが,このような高額の治療を受けることができたのは,生命保険のおかげです。

 

ですが,加入した当時は「何かあったときに備えて」と考えたわけではありません。

高卒で入社した会社には,セールスレディがたびたびやって来ていました。

彼女たちのセールストークに言いくるめられた小娘は,まんまとその口上に引っかかってしまったのです。

そのxx年後,本当にお世話になるなど思いもせず,流行り始めたがん保険に入りました。

 

がんと診断されたら,入院日額15,000円という契約を2口結びました。

つまり,がんの入院1日につき30,000円×日数です。

 

掛け金は1口740円,これを2口なので毎月の支払いは1,480円です。

保険年齢19歳でしたから,これくらいの低額で済みました。

 

アラフィフになろうとしている現在もまだ,この金額で掛け続けています。

近頃は,このようなプランの保険はあまりないようです。

一度診断されて保険金を受け取ったら,再発や違うがんが発症すると次はもう受け取れないとか,いろいろな制約がある商品が多いようですが,これから生命保険を探すのであれば,このあたりはよく吟味する必要がありそうです。

ところで,乳がんで鹿児島に2か月滞在したと先述しましたから,60日いたことになります。

「入院1日30,000円が60日なら,保険金は1,800,000円じゃね? 足りなくない?」

 しかし,後で見直してみて自分でもびっくりしたのですが,最終的には足りてしまったのです…

 

できることなら生命保険は入っておいたほうがいいかもしれない

少額のプランでも足しになると思う

鹿児島に行く前に,子宮がんの治療をしたことは先に書きました。

このとき,がん専門病院に2週間入院しました。

2週間,すなわち14日。

ここで既に,がん保険の保険金を受け取っていたのです。

30,000×14=420,000

そのときの入院費を100,000円ほど支払っても,300,000円近くが余っていたのです。

受け取った保険金は,治療に充てるだけでなく,受取人が自由に使っていいのですから,私はこれを生活費や次の治療の足しにすることにしました。

 

2004年,初めて子宮頸がんと診断され,2回入院・手術をしたとき,数年ぶりに自分ががん保険に加入していることを思い出し,保険金を請求しました。

受け取れる額をすっかり忘れていたのですが,振り込まれてびっくり,「そうだ,日額30,000円だった」と思い出したのです。

 

そして,子宮頸がんの再発と同時に乳がんを告知されたとき,そのことがふと脳裏によみがえりました。

「そうだ,私にはがん保険がある。たぶん,この保険金で治療できる」

保険金を支払ってもらった経験から,今度も受け取れると確信していたので,迷いなくUMSオンコロジークリニックにアポを入れることができました。

 

派遣の事務職で時給で働いていた私は,無理なく支払える保険料のがん保険に入っていたから,お金に困ることなく治療を受けられたのです。

加えて,ひと月の医療費が一定額を超えると給付される高額療養費制度や,健康保険から支払われる傷病手当金などのおかげで,2008年の丸一年,仕事ができなくても生活することができました。

 

生命保険不要論もありますが…

ホリエモンこと堀江貴文さんをはじめ,生命保険は不要だと言っている人も大勢います。

hoken-kyokasho.comこちらの記事は,FP(ファイナンシャル・プランナー)の資格を持つ保険業界の方が書いているようです。

あなた自身にとって本当に必要な保険だけを選ぶこと 

 

私の場合は,本当にたまたま何も知らずに入った保険ががんに特化したもので,それに該当する病気がたまたま当たってしまっただけなのです。

保険料も無理して支払っていたわけではなく,だらだらと見直しもせず惰性にまかせたまま,毎月¥1,500くらいが引き落とされていたのです。

 

結果として『必要』となってしまった保険ですが,ご自分の蓄えが治療を受けられるだけの額であれば,保険は必要ないかもしれません。

日本は国民皆保険,つまり健康保険で十分まかなえる治療がほとんどです。

ですから,本当に必要な保険を見極め,払う必要のない保険料は払わなくてもいいと思います。

 

生活費の保障をもっと強化したいなら、働けない状態になったら毎月一定額を受け取れる「就労不能保険」のような保険がおすすめです。

重粒子線治療や陽子線治療は、医療保険でなくても、がん保険や三大疾病保険に先進医療特約を付ければカバーできます。

結局、先進医療をメインの目的にして医療保険に加入するのはおすすめできません。

こちらの方も書いているように,さまざまなプランや特約も用意されているようです。

ネットだけの情報で判断できないのであれば,FPのような専門家に相談するのもアリだと思います。

少額で掛け捨てのプランなど,負担の少ない保険商品も登場しているようです。

無料の保険相談を利用してみてもいいかもしれません。

 

まとめ:治療費の支払いには生命保険や国の制度を上手に利用しよう

逆説的になってしまいますが,私は無知だったばかりにがん保険に加入しました。

このがん保険がなければ,今ごろ私はどんな人生だったのだろう。

想像すらできないし,したくもありませんが,結果として,自分で納得してお金をかけて治療しました。

 

納得のいく治療を選択したいのであれば,それに備えておかなければなりません。

もし,自分や大事な人ががんになって,UMSオンコロジークリニックのような医療施設で自由診療の治療を受けたい・受けさせたいのであれば,それに見合った預貯金をもっておきたいものです。

それがすぐにできないのであれば,少額の生命保険を利用する,高額療養費制度や傷病手当金について情報を得るなど,きちんと向き合って知っておいたほうがいいでしょう。