ストレス耐性を上げる方法をさらにもう少し【未来は明るい】
前回の記事はこちらから読めます↓
blueguitar.hatenablog.com--------
前回まで,免疫とストレスの関係,生活習慣を変えることも大事であることにさらっと触れました。
その上で,ストレスに強くなるには物事の見方を変えようという話をしました。
そして,自信を持つことが重要だということを書きました。
よく「前向きに」「ポジティブに」といいますが,それが簡単にできれば苦労はしません。
がんになった当時は,くよくよと思い悩む性格だったと,ずっと書いていますが,現在もまだ,嫌なことがあると1日中引きずります。
ですが,以前はいつまでもいつまでも,何か月も引きずり続けていたのが,10日もすれば消えてなくなってるな,という感じでしょうか。
それでも長いですか?
まあ,そのインパクトの大きさにもよりますが,悪いストレスに苛まれないようにしようと努力を積み重ねてきた成果が,最近になってようやく表れてきたのかなと思っています。
そこで,もう少しだけ,その考え方を深掘りしてみます。
物事の捉え方を変えてストレス耐性を上げる(続き)
日本人は自己肯定感が低いと言われているそうです。
何かのインタビューで読みました。
海外で活躍する教育関係の人だったと記憶しています。
「最近,その言葉よく聞くけど,それを持ち出してくるのって日本人だけなんだよね。海外で“自分に自信を持つ”とか“自己肯定感を〜”なんて聞いたことない」
特に欧米の人は,自分に自信があって当たり前だというのです。
私なりに考えてみたのですが,それは,日本人が昔から,上の立場の人から押さえつけられるような接し方をされてきたからでしょう。
お隣の国ほどの儒教の影響はないにせよ,「上からの命令は絶対」「親の言うことは絶対」というお国柄だからなのかなと思います。
人間対人間というフェアさがないような。
そこらへんのむずかしい歴史は,もっと詳しい人に譲ります。
日本人として生まれた宿命というか,それゆえなのかはさておき,打たれ弱くなってしまった自分の未来を,少しでも明るく照らすには,単なるポジティブシンキングだけでは無理のような気がしてきます。
では,物事の捉え方をどう変えていけばいいのか,もう少し考えてみます。
出来事や失敗の経験に意義を見出す
こじつけでもいいので,自分を襲ってきた悪いストレス源を,意味あるものとして位置づけると,ポジティブなこととして変換されていきます。
こうすることで,ストレスを悪いストレスとして捉えないようにするのです。
入院中に仲良くなった友人たちとよく言っていたのは,「がんになったことも,人生に意味があるのよね」ということでした。
たとえば,がんを告知されたとしたら,最初は錯乱状態・パニック状態になることでしょう。
ですが,目の前にやってくる「次の検査」とか,「お金の問題」「仕事のこと」「治療法をどう選択するか」などを片づけていくうちに,少しだけ,フッと違うことを考える瞬間が生まれるはずです。
「なんで私が?」「私ががんなんて」という思いを抱く瞬間が。
そのときに思い出してください,このがんには必ず意味や意義があると。
私は,「仕事を休める」「誰も経験できないことを経験できている」と,無理矢理にでもねじ込んでいました。
良い面を見つけようとする。
それはきっと,がんという事実の大きなインパクトに比べたら,とんでもなく小さいでしょう。
それでも,良い面を見つけ出そうとすることで,悪いストレスの沼に浸ることがなくなります。
物事の捉え方が,ここで変わるのです。
2つのがんを同時に治療して10年以上が経ちますが,がんの入院・治療中に出逢った友人とは今でもつきあいがあり,食事に行ったり,遊びに行ったりしています。
こんな唯一無二の友人に出会うことができたのも,がんになった良い面の一つなのです。
ストレスに強くなるには,捉え方を分解して,段階を踏んで,プロセスを積み重ねていくのが有効なのかなと,ようやく気づき始めています。
現状に気づき,理想像や明るいビジョンを構築する
「今はこんなに最悪な状況だけど,いつかは終わる」と捉え直すことで,悪いストレスを良いストレスに変換できるようになってきます。
それをくせづけることで,ストレスに強くなっていく習慣が次第に身につきます。
上で「悪いストレスの沼」と書きました。
「あーもうダメだ」「最悪だ…」という思いに浸り続けていませんか。
私はそうでした。
切り替えが下手なのです。
自分が悪いストレスの沼に浸っていることに気づけていませんでした。
これはまさしく『悲劇のヒロイン』です。
その瞬間はそれでもいいと思います。
むしろ,それを味わいつくさないといけないとすら思っています。
ですが,そこから抜け出すことも徐々に考えていかなければなりません。
スイッチ1つで切り替えられるような性格なら,苦労していません。
抜け出すためには,現状に気づかなければなりません。
私は,自分が悲劇のヒロイン状態のままだということに気づいていませんでした。
頭のどこかで,「この危機から抜け出したい」という思いはあったものの,どうしたらいいのかさえわかりませんでした。
というか,抜け出せないと思っていたのです。
幸いと言っていいのか,私は誰も頼る人がいなかったので,入院の手続きや旅の手配など,ほぼすべてを一人でやっていたおかげで,それらを一つひとつ片づけていくことで気づかされました。
自分が手続きを進める中で,前に進んでいるという実感があったからでしょう。
やがて,「絶対に治す」「胸も子宮も温存する」というゴールに向かっていくことで,どんなことを言われても,どんなことをされても強く立ち向かう気力が培われたのだと,今になって思います。
現状に気づき,その現状を変えることができる,そのゴールはどういう未来なのかを決める,そして,そのためにできることをやる。
やはり,即効性はありません。
できることからコツコツと積み上げていくしかありません。
余談…後々になって,これはNLPの手法とほぼ同じだと知りました
読書がストレス耐性を上げるために有効だと,以前の記事にも書きました。
ジャンルを問わずいろいろと読んでいましたが,その中で出会った本に書かれていたのが,まさしくこの流れでした。
どの本だったか失念してしまいましたが,そこに書かれていたのがNLPでした。
ja.wikipedia.org「NLP」で検索すればいろいろと出てきますが,その有効性には「?」がつけられているようです。
どちらかというと,カウンセリングの領域で用いられるということですね。
心理学を中心にニコニコ動画やYouTubeで発信しているメンタリストDaiGoさんも,たしかNLPには否定的だったような。
私はNLPを肯定も否定もしませんが,使えるものは使って,ストレスに強い心とカラダを構築できれば,それでいいのだと考えています。
おわりに
前回と今回でお見せしたストレス耐性を上げる方法,ストレスに強くなる方法をおさらいします。
- 生活習慣を変える
- 自信・自己肯定感を高める
- 物事の捉え方を変える
- 現状に把握して,明るい未来を描く
何度もこのブログで書いていますが,人間すぐには変われません。
「すぐに変われない」というのは,こうした改善案を試しても,すぐに効果が表れないことだけを言っているのではありません。
「試してみよう」「やってみよう」と動くことすら思えないことが多いのではないでしょうか。
だけど,現状に気づくことが疎かになっているかもしれません。
自分の能力や環境を把握できていないかもしれません。
でも,変わりたいと思ったら,「変わろう」の前に「気づこう」から始めてみてください。
そこで初めて,把握があり,物事の捉え方の変容へと続いていくのです。
明るい未来なんて,最初から思い描けないかもしれません。
もともとがネガティブなマイナス思考なのですから。
気づくこと。
それは,自分を知る第一歩なのです。
とかなんとかいろいろな方法を書いてきましたが,個人的にやっぱり一番効くなぁと思うのは…
シマウマですね。
ほんと,不思議な模様だ…