生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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がんだった自分に教えたいストレス耐性を上げる方法【即効性はない】

前回の記事はこちらから読めます↓ 

blueguitar.hatenablog.com-------- f:id:blueguitar:20200515090339j:plain

ストレスは,人生において大なり小なり襲ってきます。

ブラックな上司からのパワハラや,買い物先の店員の態度など,それが自分にも降りかかったら耐えられない…

そんなニュースや記事を見かけない日はありません。

 

私が2つのがんにかかったのも,強いストレスが原因だと思っています。

もっとストレスに強ければ…

跳ねのける力があれば…

 

今回は,かつて悩みの沼に沈み込んでしまった末にがんになった自分へ語りかけるつもりで,ストレス耐性を上げる方法を考えてみます。

(なお,私のがんの原因は特定されていません。あくまで,元がん患者が素人なりに一人勝手に感じている所感を元にするのみであり,医学的根拠,学術的根拠に基づくものではありません)

 

がんを告知された12年前の自分に教えたい,ストレス耐性を上げる方法

ストレス耐性は,訓練次第で上げることができると思います。

少しずつですが,自分も「ちょっとは強くなったな」という手応えがあります。

何年も積み重ねて,ようやくその実感に至った方法を紐解いてみましょう。

 

そもそも「ストレス耐性」とは?

そもそも「ストレス耐性」とは何でしょうか。

文字どおり,ストレスに対する耐性,ストレスに対する抵抗力のことです。

「メンタル弱いなー」などと言う表現は,まさにストレス耐性が弱いことを言い表しています。


私は,がんを治療していた時期にもブログを書いていました。

ですが,あるときコメント欄に嫌がらせの文言が並びました。

「死・死・死…」と何百個も書かれて,そのブログは閉じました。

 

以前の投稿にも少し触れましたが,このことがトラウマで,現在コメント欄を設けていません。

今なら,はてなに報告して発信者情報開示請求をするなど,どうにかしてもらうこともできるのでしょうが,当時は,とてもじゃないけど受け入れることはできませんでした。

だけど体が言うことを聞かない

このとき,ストレス耐性が高ければ,即座に何かしらの処理をすることができていたでしょう。

ですが,頭ではわかっていても,カラダが反応しない,行動が伴わないのです。

それは,ストレス耐性という名の素地ができていなかったからに他なりません。

 

当時は「なんでそんなこと言われなきゃならないの〜」と泣きそうになるだけでした。
ですが,少し冷静になって考えれば,次の方法に進むことができたかもしれないのです。


その時点では泣いたとしても,落ち着いて対処法を選択して,自分なりに解決することができたかもしれません。

それにその当時は,「頭でわかっていても」という段階にすら辿り着かず,悔しい思いをしながらも,ブログを閉じること以外考えつかなかったのです。

 

良いストレス・悪いストレス

ここまで一口に「ストレス」と書いてきましたが,ストレスには良いストレスと悪いストレスがあると言われています。


何かを成し遂げるための決意や,挑戦にはストレスがかかります。

「がんばろう」「やり遂げるぞ」といった思いは,成長につながる『良いストレス』。

かたや『悪いストレス』は,やる気がなくなったり,自分を責めたりすること。

 

だとすれば,悪いストレスを見極め,良いストレスに変換する力を身につければいいのではないでしょうか。

詳しい記事がありました。

kenkousupport.kyoukaikenpo.or.jp

ストレスが全くなくなれば、私たちは健康で快適な生活を送ることができるのでしょうか? 実は、必ずしもそうではないのです。

よいストレスに変換する方法の一つが、物事の捉え方を見直すこと。仕事でミスをしたときに、「上司の評価が下がってしまう。自分はダメな人間だ…」と考えるのと、「誰でも失敗することはある。この失敗を次に生かそう」と考えるのとでは、受けるストレスの度合いが異なります。

このサイトに『「認知のゆがみ」の10パターン』が紹介されています。

ストレスを受けやすい人は,物事を悪いほうへ考えやすいクセがあります。

自分にこのような物事の捉え方のクセがあることに気づくことが、ストレスを軽減し、気持ちを楽にする一歩となります。

この「認知のゆがみ」のパターンに気づくこと,物事の捉え方を見直すことは,なかなか大変です。
長くても短くても,それまでの人生で培ってきた見方,というよりも,見え方は簡単には変えられません。

でも,変わりたいと思うのであれば,何か一歩を進める必要があります。
それでは,何をすればいいのでしょうか。

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じゃあ,何をすればいいの?〜私が実践してきたこと

知識や情報を蓄える

何事にも迅速かつ柔軟に対応できるようになるためには,幅広い知識を身につけたほうがいいのだと思いました。

当時を振り返ると,条件反射的に「攻撃された!」という反応をしてしまっていたために,ブログを閉じることに走ってしまったのです。
「条件反射的に」と書きましたが,それまでの人生で得た経験がそうさせているからです。

 

人生で何度も嫌がらせに遭う人は少ないでしょうから,そうしたことをされると,対処する方法がわからないのでテンパる以外できない。

 

もしも,あのとき,コンテンツプロバイダに発信者情報開示請求をするという手段を知識として持っていれば,次の手段に進めたかもしれません。

でも,当時はまだそうした情報はあまり知られていませんでした。


有名なところでは,やはりスマイリーキクチさんの中傷被害事件でしょう。
身に覚えのない事件の発生現場がたまたま出身地と近く,犯人集団と年齢層も近かったことに端を発したと言われています。



AKB48川崎希さんも,同じような被害を受けて,情報開示請求の手段に打って出ています。

ameblo.jpここ数年になって,そうした動きもでてきたので知られるようになった方法ではあります。

こうした知識や情報を当時の私が持っていたら,落ち込む時間を減らせた可能性はあります。

ブログも消さずに済んだかもしれません。



情報開示請求についてもですが,こんなことが起きたらこう対処する,という備えは,案外いざというときに発揮するものです。

火事場の馬鹿力ということばもあるくらいですから。

 

理論武装という意味ではなく,まず知識や情報を蓄えておくことから始めるのです。

そこに即効性はありません。

積み重ね,積み上げるしかないのです。


乳がんを疑ったときも,子宮頸がんにかかった経緯から,乳がんに対する知識や情報を集めることに奔走した結果,UMSオンコロジークリニック(当時の名称はUASオンコロジーセンター)を見つけることができました。

「いざというとき」はなかなか起きないけれども,起きなくても,知識や情報は自らの教養となります。
今からでも,本を読む,勉強をするといったことは,その後の人生に決して無駄にはなりません。

自分のストレス耐性のタイプを知る

物事の捉え方は人それぞれなら,ストレス耐性を測ることはできるのでしょうか。
その基準が詳しく書かれている記事がありました。

jinjibu.jp

ストレスの原因(ストレッサー)が同じでも、影響の現れ方は人それぞれ。たとえば疲労や不眠、食欲減退といった症状が身体面に出る人もいれば、不安や抑うつ、イライラなどの心理面に現れる人もいます。またミスや不正、遅刻といった行動面への影響が出やすい人や、依存傾向が強まる、自暴自棄になるなど考え方にゆがみが生じる人も。そうした適応反応の違いも、ストレス耐性の個人差に起因するものです。

同じ現象や事情が発生しても,平気な人もいれば,深く落ち込む人もいますよね。

 

私はまさに,後者の方でした。

メンヘラとか,かまってちゃんとか,いかにも迷惑な印象を抱かせるワードではありますが,かつて関わった人もきっと,私のことをその部類に入れていたことでしょう。


凹んでしまったり,落ち込んだりしたときに,私はその内容に深く深く沈み込んでいました。
抜け出したいくせに,そこから抜け出す努力もしない,考え方を変えようともしていませんでした。

 

そうだ,抜け出さなきゃ,抜け出そうとしなきゃ。

そう気づくまでにかなりの時間を費やしましたが,そこからが始まりでした。

抜け出そうとしない人は,そこが慣れているからなんですね。

 

どこかでなんとなく「抜け出したい」という思いは抱えていたのですが,いろいろな本を読んだりしても,ピンとくることはありませんでした。

ですが,あるとき,ふと思い立ったのです。

「抜け出そう」と。

それはきっと,動かないことが普通になってしまっていて,動かずにいた私に溜め込まれていった「抜け出すための知識や情報」のおかげだと思っています。

 

結果を出している経営者や成功者は,「今すぐやれ」とよく言います。

すぐにやれるのであれば,やってるって。

ですが,すぐに動けないカラダと心を長い間かけて構築してきた人生,すぐには変われません。

 

変わりたいなら,環境を変えるのが一番手っ取り早いです。

私はあるとき,一気に環境を変えることで,人生が変わりました。

このこともいずれ書いてみようと思いますが,なかなかすぐに変えるわけにはいかない人も多いでしょう。

というか,そういう人が大多数でしょう。

 

では,そうもいかない人はどうすればいいでしょう。

まずは,「いつかは抜け出す」と強い決意を固めてください

根性論です,精神論です。

「どうせ抜け出せないから」ではなく,「必ず抜け出す」のです。

ここは方法論よりも,決意が先です。

決めるだけでいいのです、手段は後になってもいいのです。

 

今すぐやれない体質なら,回り道であろうと,目の前のことを順番どおり片づけていく。

するとある日,これって無駄じゃね?と気づくときが来ます。

「こんなストレス,耐えられない!」という気持ちにフォーカスするのではなく,「必ず抜け出す。その方法を今,探っている最中」というプロセスにフォーカスするのです。

イマジネーションの力を利用する

いつかはストレスに強くなると決意しても,すぐに結果が現れないのはもどかしいですよね。

「私,何でも言っちゃうから~」とズケズケ言う人は,相手のことを慮っていない,身勝手な人です。

サイコパスなどという横文字でカッコよく表現されたりもしますが,そんな人を相手にする必要はありません。

 

とはいえ,やはり目の前に立たれている以上,言われっぱなしで泣いてしまう。

反論できずにグッとこらえるのみ…

 

そこで,私が実践していることは,イメージを利用することです。

相手が何か言ってきたら,シャッターをザッと降ろすイメージ。

即座に言い返す人もいますが,とにかくシャッターです。

 

とっさには反応できないかもしれません。

こういうことは,突然起こるものですから。

カラダも硬直するし,心臓もバクバクします。

 

舞台をやっていると,よく「お客さんのことをかぼちゃだと思えばいいのよ〜」という先輩がいます。

少なくとも私は,人間の顔をかぼちゃにイメージすることはむずかしいです。

イマジネーションとは,そう簡単にはいかないときもあります。

 

そういうときは,呼吸法も利用します。

簡単な呼吸法も利用する

無感情・無感情…と心の中で唱え,ゆっくりと深呼吸します。

吸った長さの2〜3倍くらいかけて吐く気持ちで,苦しくない程度に。

ため息にならないように注意します。

 

言い返したりしません。

ここは我慢が必要ですが,愛情の反対語は「無」です。

反論という行為そのものが,相手の存在価値を認めることになるので,自分を傷つけるような人の存在を認めないようにするためにも,余計な反応はできる限り減らします。

それでも引きずる場合

そして,その場が終わっても,引きずらないためにやることも加えておきます。

頭の中を嫌なことに絡め取られて,やるべきことに集中できない,本質と向き合えない,そんなときは,とにかく忙しくします。

やるべきことの時間を長くするのではなく,密度濃く,高速でやります。

それでも,頭の中にまとわりついてくるときは,「このメール3行だけ,もしくは,3分だけこれに集中する。後でそのことに向き合う」と決めるのです。

 

3行,もしくは3分が過ぎたら,一息つく。

でも,そのことには向き合う必要はありません。

そのうち,やるべきことに対する3行が5行になり,やがて10分になり,15分になっていきます。

それを繰り返します。

まだそれでも嫌なことがまとわりつくとき

それでもまとわりつくときには,何か気晴らし画像を決めておくといいです。

私の場合は,シマウマと決めています。

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意味はありません。

ただ,シマウマの模様って不思議じゃありませんか?

全身が白と黒のウマですよ?

しかも,縞模様ですよ?

 

特に動物好きというわけではありませんが,なぜこんなことになってるの?不思議だなぁと思えるものを一つ用意しておくことで,視点が切り替わります。

 

何でもいいと思います。

キリンの首が長いのが不思議でしょうがないという人は,キリンの画像。

単純なものがいいでしょう。

 

スマホに入れておくというよりも,パッと思い浮かべられるものを頭の中に用意しておくのです。

 

 そしてポイントは「私はシマウマの画像を思い浮かべると,不思議な気持ちになる」「私はシマウマをイメージすると不思議な気持ちになる」と決めることです。

 

そう,決めるのです,決断です。

それが間違っていてもいいのです。

というか,シマウマの不思議さなんて,ここでは誰にも関係ありません。

 

「切り替え上手になるために,私が決めたこと」

それでいいのです,誰にも邪魔はさせません。

おわりに

ストレス耐性を上げるために私が実践してきたことは,以下のとおりです。

  • 知識や情報を蓄えて,いざというときに対応できる自信につなげる
  • 自分のストレス耐性の特徴を知って「必ず抜け出す」とまず決める
  • イマジネーションの力を利用する
  • 呼吸を整える
  • 切り替えるための画像を心の中に仕込んでおく

まだまだ,嫌なことへ対処するスキルは低いなと感じています。

しかし,ストレスによってがんを患ったと確信している私としては,ストレスを抱えず,できるだけ回避したりすることを心がけています。

即効性はありませんが,それまでの人生で培われた思考のクセや認知のゆがみを矯正するには,少しずつ積み重ねていくしかないのです。