UMSオンコロジークリニックでの入院生活をほじくり出そうシリーズ再開
前回の記事はこちらから読めます↓
blueguitar.hatenablog.com--------
たとえば「乳がん 切らない」というワードで検索したら,1ページめだけを見るのではなく,何ページも何ページも見て,何か小さくても手がかりを得て,そして初めて検索ワードを追加したり,変えたりしていました。
かつての私がそうだったように,もしも,何かの縁でこのブログを読んでくれる人がいるのなら,きっと,検索して10ページめあたりの,一番下の列に並べてあったのかもしれません。
そんな方のために,少しでもお役に立てるのであれば,と考えて,当時の治療中の様子を書くことを再開します。
近頃では,医療にまつわるサイト,とくに闘病記のようなブログは,Googleでは検索されにくくなっているようなので,読んでもらえるかどうかはわかりません。
前回の記事でも書いたとおり,コメント欄は設けませんが,やはりどこかでこのブログが誰かに読んでもらっているのは明らかなようです。
がんの治療法を求めて情報を探して,このブログにたどり着いている人は確実にいるのです。
忙しいことを言い訳にして,このブログを立ち上げても記事を書かないままでいましたが,少しでも書いていく習慣をつけることにしました。
能書きはこれくらいにして,UMSオンコロジークリニック(当時の名称はUASオンコロジーセンター)での治療開始から6日め,2008年6月9日の日記から拾ってお見せします。
抗がん剤の副作用で,なんとなく食べ物がおいしくないという愚痴を書いていました。
****************************************
朝ご飯は普通に食べられた。
食パン2枚と不味いザワークラウトみたいなの、オレンジ2切れとお茶。
昨日ほどの抵抗感がないところをみると、 あれはやはり、うっすら副作用なんだろうな。
食べられないとか嘔吐とかではないから、ありがたいことなんだわ。
お昼12:00になると、ザビエル教会の鐘が鳴る。
今日のランチは穴子のまぜずし、湯葉包みのあんかけ、あさりのみそ汁など。
かやくご飯のような、味つきの米なら食べられるかもと思い、パンから変えてみた。
思ったとおり、これなら食べられる。
やはり昨日、治療がなかったせいもあるのかな。
うん、完食。
****************************************
前日が日曜日で,治療がなかったようです。
おさらいしておくと,UMSオンコロジークリニックでの治療は,放射線照射だけではありません。
症例によっては抗がん剤を投与されることがあります。
抗がん剤というと,苦痛を伴うというイメージが根強いですね。
髪が抜けるとか,激しい嘔吐とか,そうした副作用のイメージ。
ここではそうした症状がほとんど出てきません。
私の場合,せいぜい上で書いたような,「遠くの方でなんとなくムカムカする…かな?」という程度でした。
提携先の病院に入院していて,そこでの食事が合わなかったのもありますが,食べても満足感がないというか。
投与の手法は以前の記事↓にも書きました。
「鹿児島に来て3日目、乳がんであることを忘れそうなおだやかな一日」
「これって本当に抗がん剤の副作用?治療開始4日目に来た吐き気も大したことなかった」
このクリニックでの手法を再掲すると,100ccの生理食塩水に10mgの抗がん剤を混ぜて,15分ほど点滴を受けてから,放射線照射に移動します。
過去の記事でも調べていたのですが,これは標準治療の1/10の量に相当するようです。
続けてこんなことも書いていました。
****************************************
夕食はサラダ風の豚しゃぶ、そうめんが入ったすまし汁、 なすの味噌炒め、さつまいもとパイナップルのコンポートみたいなの、
そして、
食パン…
浮いている。
残す。
****************************************
白米が受けつけられず,パンに変えてもらったけど,おかずと合わなくて食パンを残した愚痴ですね。
しかしながら,これくらいの量は普通に食べられたわけです。
抗がん剤の副作用の代表的なイメージは,猛烈な嘔吐。
それとはほぼ無縁の2か月でした。
食べることが大好きな私,これは本当にありがたかった。
嫁入り前なので,髪が抜けるのも嫌だったけど,そんな不安は杞憂に終わりました。
この時から10年以上が経過しています。
もっと進化しているかもしれません。
UMSオンコロジークリニックでの治療に限らず,どこか別の医療機関で治療するにしても,ただ闇雲に「抗がん剤=副作用」「抗がん剤=効かない」というイメージにとらわれず,柔軟に情報を吟味してください。