通信制大学についてもう少し【私の学習計画・勉強方法(4)】
前回の記事はこちらから読めます↓
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ここまで,通信制大学の学習計画の立て方を3回にわたって書いてきました。
何年で卒業するのか。
本当に卒業する覚悟はできているのか。
1年間の行事予定からスケジュールを考え,3か月で区切って履修する科目を選ぶ。
履修科目の計画を立てたら,勉強を習慣化させるべく,スキマ時間を探す心がけをもつ。
「この時間があれば,少しでも勉強しよう」
そういう意識ができるようになってきたら,さらに区切って勉強していきます。
選んだ科目の教科書を,どうやって読み進めていくか,さらにさらに細かく区切って考えてみましょう。
教科書に対するスケジューリングを考える〜その1
厳しいことを言うようですが,学費を払って入学すると決めたからには,卒業ありきで進めなければならないと私は思います。
卒業せずに終わってしまえば,残るのは「勉強せずに終わって,高い授業料だったな〜」という事実のみです。
しかし,ただ計画を立てるばかりではなく,実行に移せなければお話になりません。
「できることから始めよう」の段階から,「ちょっとだけ無理をしてがんばってみる」の段階へと進む必要があります。
自分の「できること」,つまりその時点での自分の実力や環境に気づかなければ,やるべきことも見つからないのです。
そのために,教科書を攻略するスケジュールを立て,着々と積み重ねていく準備を始めましょう。
真の効率化のためにも,教科書はすべて読み終えよう
「この分厚い教科書を1冊読み終えるには,自分はどのくらい時間がかかるのだろうか」
それを把握します。
「レポートの課題の範囲だけ読んで書けば効率がいい」「サクッと書ける」などと言っている通信の学生をネット上でよく見かけます。
実は,レポートを執筆するためだけなら,全部読んでしまう必要はありません。
私の大学では,テキストを利用して自分で学ぶ科目については,レポートを提出しなければならないのですが,毎年更新される課題は,その出題範囲が決められています。
ですから,その範囲だけを読んでレポートを書くこともできるでしょう。
しかしながら,その科目について,どれくらいの知識を持っていますか。
出題範囲だけをつまみ食いして書いたレポートを提出しても,添削する人にはすぐにバレてしまいます。
何回も不合格になって書き直すよりも,しっかりと理解を深めた上で執筆したほうが,よほど効率的です。
中学や高校の定期テストのように,
「はい注目〜,今度のテストは○○ページから○○ページまで,▲▲▲のパート,出るからね〜」
などと,教員から示されるのは,せいぜいスクーリングのときくらいです。
天才なら,さらっと読み直して頭にいれることもできるのでしょう。
そうでないのなら,愚直にその科目と向き合っていくしかないのです。
前回の記事にも書いた東大主席,ハーバード大学オールAの山口真由さんでさえ,7回は読むのです。
山口さんは「さらっと7回読む」かのように書いています。
ですが,山口さんのように勉強に慣れていないのであれば,さらさら読んでばかりもいられません。
理解できない部分は,きちんと立ち止まって読むのです。
試験前になって,対策のために教科書を読み直して苦しむよりも,その科目の全体像をしっかりと理解するようにします。
天才でないのなら,そして,その分野について深く知らないのであれば,決して効率を優先させてはいけません。
回り道に思えることでも,知識を積み上げていくことが真の効率化につながるのです。
読み切りにかかる時間を把握する
教科書1冊を読み終える時間を把握しましょう。
ここでは,速く読もうと考えてはいけません。
速読の手法は巷にあふれていますが,自分の苦手な分野や未知のジャンルは速く読めません。
その分野に対する知識がないからです。
その知識を習得するための本こそが,教科書なのです。
しいて言うなら,前回も書いた「ご挨拶としてパラパラめくる」,これが速読の一種と言えるかもしれません。
ですが,このとき,「理解はしなくていいから,紙面を目に入れるだけ」とも書きました。
実はこの時点で,すでに「わからなくてもいいから,やってみよう」の段階ができています。
計画だ,把握だ,と散々書いてきましたが,ここですでに勉強は始まっていたのです。
「さあ読むぞ!」と意気込まなくてもいいのです。
「教科書とお近づきになる感じ」と書いたように,もうすでに,その科目とお近づきにれているのです。
どうでしょう。
次のステップに進んでみたくありませんか。
1冊300ページあるとしたら,単純に日数で割ってもいいかもしれません。
10日で読んでしまいたいのなら,10で割って1日30ページ,というふうに。
教科書に限らず,あらゆる本では章立てがしてあります。
第1章,第2章…というように,いくつかのパートに分けられていますから,「今日はこの章を読む」と決めて読み進めるのもいいですね。
しかし,教科書や,科目によってはうまく区切れないかもしれません。
装丁が古臭かったりするだけで,「この本,読みにくい,取っつきづらい」という印象を与える本もあります。
そういうときは,その本を読むに際してかかる時間を計測してみることをお勧めします。
そのやり方を次回,お伝えしましょう。