生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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トレーニングの3原理・5原則を勉強にも応用する〜その2

前回の記事はこちらから読めます↓ 

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レーニング3原理のおさらい

レーニングの3原理とは,「過負荷の原理」「特異性の原理」「可逆性の原理」に大別されることを,前回に書きました。

  • ちょっとだけ負荷をかける
  • 一つのメニューだけでは総合的な向上は望めない
  • 後戻りしないよう継続させる

これが基本です。

 

そして,これらの原理を正しく機能させるためには、5つの原則に基づいて行うことが望ましいとされます。

その5つの原則とは,「全面性の原則」「意識性の原則」「漸進性の原則」「反復性の原則」「個別性の原則」です。

 

今回は,これら5つの原則を順に見ていきましょう。

トレーニングの3原理・5原則を勉強にも応用する〜その2

レーニングの5原則

全面性の原則

一か所や一方向に偏らせず,バランスよくトレーニングすることで,全体的に機能を向上させることができる,という原則です。

 

腕立て伏せだと,肩や二の腕,大胸筋などの上半身は鍛えられても,下半身は鍛えられにくい傾向にあります。

全身の筋力を高めるのであれば,背筋や下腹部,脚なども併せてトレーニングする必要があります。

 

前回の記事「特異性の原理」で見たように,一つの部位だけではなく,総合的に鍛えるという視点をもたなければなりません。

 

語学習得の例でも書いたように,単語を憶えるだけでなく,文法も,ヒアリングも,スピーキングも,バランスよく勉強することで,高い語学スキルが鍛え上げられるのです。 

意識性の原則

漫然とトレーニングをしただけでは,効果は現れません。

目的意識を持って,具体的な目標を掲げると,そこへ向かって取り組むことができます。

腕立て伏せなら,今は10回しかできないけど,50回できるようになる,という目標を設定するのです。

それを意識することが大事だというわけです。

 

また,腕立て伏せをしているときに感じられる筋肉の動きを意識することも,この「意識性の原則」に当てはまるでしょう。

筋トレをする人が,「鍛えている筋肉そのものの部位に語りかけながらやっている」と言っていますが,まさしくこのことです。

集中・没頭してその部分を意識することで,向上の度合いも意識されてくるのです。

 

前回の3原理で登場した「過負荷の原理」では,現状よりも負荷をかけることが推奨されていました。

この負荷を意識するといいでしょう。

 

語学学習で言えば,

  • いつもは単語を20個憶えるが,それにイディオム5つ憶えることを加えることはできないだろうか?
  • ヒアリング教材を2倍速で聴いてみたらどうなるだろうか?

といった具合で工夫して負荷をかけ,それを実施したときの自分の感触を意識するのです。

 

ちょっとキツイけど続けられそう,もっと負荷をかけられそう,というような自分の意識も,ちゃんととらえることが重要です。

漸進性の原則

『ぜんしんせい』と読みます。

物事を徐々に,順を追って,少しずつだんだん進めることを意味します。

 

「過負荷の原理」に沿って,能力を超えたレベルでトレーニングを続けていくと,やがて始めた頃のレベルが楽なものになっていきます。

そこからさらに向上するためには,強度を高め続けていかなければなりません。

 

ですが,急激に負荷を増やすのではなく,過度な負担とならないよう,徐々に設定を調整していくことが大切です。

 

腕立て伏せも,3回がやっとだったけれども,楽にこなせるようになってきたら,5回,10回と目指していきます。

進行度や,その人のレベルに合わせていかねばなりません。

 

新しい単語を1日20個憶えていたのが,急に300個憶えろといわれても,そう簡単にはいきません。

多すぎず,少なすぎず,しかし,ちょっとだけ負荷をかけるという頃合いを調整しなければ,大きな挫折につながりかねないのです。

反復性の原則

こちらも前回の「可逆性の原理」で書いたように,継続の重要性が関わってきます。

規則的かつ計画的にトレーニングメニューを繰り返してこそ,ようやく次のステップへと進めることができるのです。

 

この反復性の原則は,別名「継続性の原則」「周期性の原則」とも言います。

反復と継続の要素,両方が備わっている原則なのです。

 

毎回のトレーニングごとに強度や回数,メニュー内容を変えていては,効果の測定もしづらくなります。

同じ内容を反復・継続することで,「以前よりできるようになってきたのでは…?」と,効果を実感するときの基準となるのです。

上で書いた「漸進性の原則」につながるものと言えるでしょう。

 

単語を憶え,文法を学び,ヒアリングや会話演習といったことをコツコツと一定量で積み重ねていくことで,ある日,気づくのです。

「最初はあんなに苦労していたのに,あの頃よりも,読めるようになってきてる!聴けるようになってきてる!話せるようになってきてる!理解できるようになってる!」と。

 

後々の効果の測定のためにも,反復・継続はとても大切な原則です。

個別性の原則

人の数だけ,スキルアップの目的・目標は多種多様,星の数ほどあるでしょう。

 

ある一種類のトレーニングを行っても,効果が誰にでも同じように現れることはないはずです。

年齢の差,男女差はもちろんのこと,運動能力の個人差や環境,目指す方向性など,実に多岐に渡ることでしょう。

 

自分で調整できるのならば,その向上の度合いに応じて加減してもいいでしょう。

ですが,インストラクターやトレーナーに委ねるのも一案です。

 

腕立て伏せの例であれば,無理のない姿勢で行われているかのチェックや,適切な回数の指摘,場合によっては違うメニューの追加提案も受けられるかもしれません。

 

本当は腕立て伏せの回数を上げたいのではなくて,全身を鍛えたいのでは?

いや,筋トレをしたいのではなくて,体力をつけたいのでは?

 

そもそもの目標に立ち返ると,腕立て伏せが本当に必要なものではない可能性もあります。

それを正しく判定するのは,素人では簡単にできないかもしれないのです。

 

語学学習も同様です。

ただTOEICのスコアを上げたいだけなのでは?

いや,本当は海外旅行に一人で行っても困らないだけの会話力をつけたいのでは?

そもそも,その語学を身につけるのは,仕事のためなのか,単なる趣味なのか?

 

それによって,必要性や向かうべき方向性はまるで違ってきます。

すると,勉強すべき内容も変わってくることだってありえます。

 

「個別性」を診断する客観的な視点も取り入れ,無理なく,無駄なく,ムラのないトレーニングを行うことができるようになるでしょう。

 

まとめ

腕立て伏せを例に挙げても,トレーニングの3原理と5原則を応用することで,漫然とやるよりも効果が期待できます。

 

「何のために鍛えるのか,どうなりたいのか」を明確に意識する(意識性の原則)

腕立て伏せだけでなく,その他の筋肉も併せて鍛える(全面性の原則)

向上の度合いを見極める(特異性の原理・個別性の原則)

洗練されたメニューを繰り返す(可逆性の原理・反復性の原則)

進度に応じて負荷を増やしていく(過負荷の原理・漸進性の原則)

 

そして,目標を達成し,また超えていく。

こうして,能力は向上されていくのです。