生きた証をつらつらと 〜2つのがんを同時に患いました~

直径10cm・転移3か所・ステージIIIの乳がんを切らずにUMSオンコロジークリニックで治療し、子宮頸がんも4度の手術で温存して12年が経っても、まだ息をしている女の生き方

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まさか家庭ごみが捨てられないなんて【ごみ集積所を設置しないのは行政の怠慢だ】

前回の記事はこちらから読めます↓ 

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ごみを捨てる場所がありません。

集積所が撤廃されてしまったのです。

ここ1年,我が家のごみは,ごみ処理センターに直接持っていって処理しています。

 

なぜこんな事になったのか,かなり頭にきているので書いてみます。

首都圏郊外の新興住宅地に引っ越してきた

2017年,私たち夫婦は家を買いました。

首都圏郊外の新築建て売り一戸建てです。

 

私自身はどちらかというと賃貸派で,できることなら,一生賃貸住宅で暮らしたいと思っていました。

ですが,夫は,やはり男の甲斐性を見せたかったのでしょうか。

買うと言って聞きません。

 

当初は中古マンションを探していたのですが,同じ値段なら建売の新築一戸建てが買えることがわかり,探し始めました。

なんとか私たちの予算で買える物件が見つかり,住み始めました。

都内へのアクセスもまあまあ良く,新宿や丸の内などの都心へは,1時間もあれば行けるでしょうか。

 

建売住宅が8〜10軒ほど建ち並ぶエリア,我が家はわりと早いうちに転居してきました。

引っ越してきた当時は,2軒分ほど歩いた先に,ごみ集積所がありました。

といっても,どこかの地主が『ご厚意』で提供している場所で,簡単な枠が作られ,ネットを掛けられているだけの場所でした。

 

長年,ご近所一帯はそこにごみを捨てていたようです。

もともと住んでいたお宅も数軒ありましたが,新興住宅地として,やがて新しい町内会の班が形成されました。

我が家も,その新しい班の中に加わることになりました。

ごみ集積所を撤廃するから話し合ってどうにかしろ

住み始めて1年ほどが経ったある日,町内会からお知らせが来ました。

「地権者の都合でごみ集積所を撤廃するから,利用者たちで話し合ってどうにかしろ」と言うのです。

 

地主が土地を売って宅地にでもするんだろうということは,すぐに察しがつきました。

なぜこんな,地域住民のことを考えないことを平気でするのだろうと思いましたが,地主の『ご厚意』でやっていたことなので,文句は言えません。

 

さて,班で集まり話し合いが持たれました。

その結果,各世帯からお金を出し合って集積所に置くカゴを買い,Aさんのお宅の前に置かせてもらうことになりました。

Aさんは一人暮らしのおばあさん。

敷地の範囲としては,我が家の一部がAさん宅の隣ということになっています。

 

ところが,運用開始当日になって,Aさんから使用NGが出たというのです。

おばあさんからではなく,遠方に住む息子さんからだといいます。

なんじゃそりゃ?

住んでもいないのに,なぜ口を出す?

掃除や片づけなどは,使用するメンバーで担当するのに。

おばあさんには迷惑をかけず,通りに面した1m四方にも満たない場所に,それよりも小さなカゴを2つ置くだけなのに。

 

仕方なく,Aさんの向かいのBさんが,駐車スペースが空いているから使っていいと,急遽申し出てくれました。

ですが,このBさんも,数か月後には「やはり使わないでくれ」と言い出したではありませんか。

ごみカゴをカラスが突くのを見て,嫌な気分になったそうです。

なんだかなぁ。

 

じゃあどうするか?

また話し合いの場が持たれました。

結局,班のメンバーが順番で敷地内にカゴを設置することになりました。

2週間交替で,ごみカゴ設置当番を回すというのです。

行政の怠慢だ

我が家の敷地にごみカゴを置くスペースがない

しかし。

ここで問題発生。

我が家は,通りから玄関まで,クルマ1台分とヒト1人が通れる幅で,普通車2台分を駐められる長さがあります。

ここにごみカゴを置くと,自家用車を出せなくなってしまいます。

 

毎朝クルマを出すわけではありません。

ですが,いざというときにごみカゴがあると,いちいちどけて,ごみを入れ直して…という作業をしなければなりません。

それに,クルマを駐める位置をずらしたとしても,住人である私たちが少し不便です。

郵便や宅配も,このスペースを奥まで歩いて,玄関まで届けてくれます。

 

お隣さんのスペースをお借りすることも考えましたが,それだと上下関係ができてしまいます。

 

ごみを置かせてもらっている

ごみを置かせてやっている

 

それはフェアではありません。

 

我が家はそういう事情があると訴えましたが,年1回まわってくる当時の班長のリーダーシップも低く,全然ちっともまとまりません。

結局,ごみカゴを置かない世帯は,直接ごみ処理センターへ持ち込むということで収めようことになりました。

ごみカゴを置く世帯は,最終的に3軒だけとなりました。

 

それは別にいいのです。

我が家はごみが少ないので,燃やすごみなど,2週間に1回くらいの頻度で出せば事足りています。

ごみ処理センターに持っていくのも,出した帰りに買い物に行けばいいし,曜日や時間帯を考えなくて済むので,別に問題にしていませんでした。

 

生ごみは,家庭用の生ごみ処理機を使っているので,水気や臭いはまったく気になりません。

 

ところが。

このコロナ下(“禍”ではなく,あえて“下”と書きます)で,ごみ処理センターが家庭ごみを受けつけてくれなくなったのです。

さあ,困りました。

 

燃やさないごみ,特にペットボトルや食品トレーなどの資源ごみは,スーパーのリサイクルボックスに持っていけばよかったのです。

ですが,燃やすごみとなると,どうにもなりません。

悩んだ結果,お隣さんに菓子折りを持って頭を下げに行き,ごみを入れさせてもらうことをお願いしました。

 

幸い,それは6月の1か月間だけで終わり,翌月からは,入場者数の制限はあるものの,また家庭ごみの受付が再開されました。

ごみ処理センターが燃やさないごみの受付をしなくなった

ところが。

今度は,ごみ処理センターが,燃やさないごみの受付をしなくなったのです。

もっと離れた別の処理センターでしか受け付けなくなりました。

 

お皿を1枚割ってしまったら,たったその1枚のために,またクルマを出して遠方まで捨てに行かなければならなくなったのです。

 

これはコロナのせいではなく,ごみ処理センターの改修が始まるからだといいます。

また近年,家庭ごみを持ち込むクルマで行列・渋滞が発生するようになり,ごみ処理センター周辺の住民から苦情が相次いでいるためでもあるそうです。

  

知らんがな!

 

なぜ家庭ごみを持ち込むクルマが増えたのか。

行政は,そこを考えたことがあるのでしょうか。

 

町内会に加入しないとごみを回収してもらえないシステムがおかしいと私は思うのです。

 

税金を払っている住民が,税金で成立しているはずの公共システムを利用できず,しかも住民まかせ。

そして町内会費まで払っているのに,町内会すら「みんなで話し合ってくれ,介入はしないが,手続きには行ってやるけど」みたいなお気楽ぶり。

代案を出すこともなく,町内会役員の地域担当の年配男性は,上から目線の曖昧な相づちをするのみ。

管轄清掃事務所に尋ねた

そこで,管轄の清掃事務所に出向いて,一個人,一住民として訊いてきました。

「地域のために」などという,そんな公共心なんて,これっぽっちもありません。

あくまで,我が家の一大事,我が家のために行ったことです。

 

我が家のエリアのこの件にとても詳しい方がいて,最初から最後まで,事情をよくご存知でした。

 

まず,かつてのごみ集積所は,当時の地主が『ご厚意』で場所を提供していただけであって,それを行政がお願いしたわけでもなければ,設置を維持するような行政指導はしないし,できない。

 

売却された土地を新しく取得した住宅供給会社に,集積所を設置する義務はない。

 

大きなごみ集積ボックスが設置されているエリアもあるが,5棟以上をまとめて売り出すにあたり,住宅供給会社が努力項目として設置するのであって,それが販売価格にも含まれている。

 

今回の我が家の場合,2〜3棟ずつ売り出された集合地域であったため,そうしたボックスが設置されていない。

 

また,我が家のような狭い入口に,1軒分だけのごみを置いて収集してもらうようなことも,行政ではしない。

あくまで,町内会単位で,だいたい5軒以上を1つの単位として収集作業する。

 

また,上で書いたAさんは,最近,認知症が現れ始めたので,どこかの施設に移ったため,お宅を近日中に取り壊すことになるが,その跡地を利用することも難しいだろう。

 

これらの認識を確認したうえで,では,我が家はどうすればいいのか,相談に乗ってもらいました。

 

私なりに考えたのは,カラスよけネットを設置し,なるべく壁寄りにごみを置くという案でした。

その案はいいけれど,1軒分だけというわけにはいかないと言うのです。

 

Aさんのような独居老人や,身体の不自由な方がいる世帯などは,登録の上で回収しに行く行政サービスがあるそうですが,我が家はそれには該当しません。

 

結局,現在ごみカゴを当番制で設置している3軒の中に加えてもらい,我が家のときだけは,ネットで対応するのがベストだろう,ということになりました。

 

清掃事務所の職員の方が親切でよかったです,ホッとしました。

 

こうした住人の声が,どこからどこまで,どう行政に届いているのか知りません。

ですが,こんなことから,ごみを出せない住民がいて,それがごみ処理センター周辺の渋滞を引き起こしている。

 

普通に生きているうえで必ず出てくるごみが,家庭の近くで捨てられないなんて,異常です。

ならば,その根本原因を探るのも,行政の仕事のひとつではないでしょうか。

 

捨てられない事情があるから,ごみ処理センターまでわざわざ直接持ち込んでいる。

ガソリン代と時間と労力を使い,清掃作業員に「こっちじゃねーだろ!」と罵倒されながら,重いごみを処理場に投げ込む。

本来ならば,手軽に捨てられるはずの場所もないがために,なぜこんな目に遭わなければならないのでしょうか。

 

行政が運営するごみ集積所があればいいのです。

町内会費なんて,ごみを捨てる場所を使わせてもらうために払っているようなものです。

特に,我が家は子どももいませんし,子どものいない世帯は他にも数軒あるので,子ども会のための出費など,ただの寄付状態になっています。

 

子ども会活動への寄付は構いませんが,それ以外の何の機能も利用していない町内会,加入する必要性が私にはわかりません。

回覧板がきても,役立つようなことなど何一つ書かれておらず,「老人会がありました」程度の記事ばかり。

 

こうした考えの人は,今後増えてくると思うのですが,それだと町内会に入っていないためにごみを捨てられないことになってしまいます。

しかも我が家は,町内会費を払っているにもかかわらず,ごみが捨てられないのです。

 

クルマを運転できるうちはまだいいでしょう。

ですが,クルマが故障したとか,運転できなくなるなどの事情が発生したら,どうなるのでしょうか。

だったら,会費を払っているコミュニティに仕事をしてもらうよう,発破をかけるしかなくなったというわけです。

町内会の担当役員も仕事しない

さて,ネットを買うのも自腹です。

近日中に,町内会の地域担当役員が,取りまとめをしてくれるらしいです。

そのお願いをするために,電話をしましたが,この担当者もまた,どうにも上から目線の,話が通じない,頭の固い年配男性です。

 

オレはこの町のことをなんでも知っていると言わんばかりにタメ口です。

「ああ,うんうん,そうね,そうじゃないのー?」

馴れ馴れしい。

対応できない曜日と時間帯を伝えておいたのに,私がいない日に平気でやって来て,「奥さんいる?」と夫に尋ねたといいます。

 

話,聞いてましたか。

ちゃんと仕事してください。

 

やっとどうにか,我が家のごみ問題は決着できそうではありますが,この担当役員とのやり取りがもうしばらく残されています。

それを思うだけで,本当にムカムカしてきます。

あともう少し,ここが踏ん張りどころです。

 

たった10軒足らずの世帯がこんなにも困っていたことを,行政が把握して対処してくれることなど,今後もないのでしょうね。

早くお金を貯めて転居するのが,今の私の野望です。